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▽シリア民主軍(SDF)は米政府の支援を受け、シリアにおけるイスラム国(ISIS)との戦いで主導的な役割を果たしてきた。
2025年3月10日/シリア、首都ダマスカス、シャラア暫定大統領(右)とSDFのアブディ総司令官(AP通信)

シリア暫定政府は10日、米政府の支援を受けるクルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」と国家機関を統合することで合意に達したと発表した。

大統領府はその後、シャラア(Ahmed al-Sharaa、通称ジャウラニ)暫定大統領が首都ダマスカスでSDFのアブディ(Mazloum Abdi)司令官と会談する写真を公開した。

大統領府は声明で、「この合意はシリアの統一を強調し、北部の国境交差点、空港、石油・ガス田を含むすべての施設・機関を国家の管理下に統合することを規定している」とした。

SDFは2015年以来、シリア北部のクルド人自治区を支配している。

この合意が履行されれば、その地域は中央政府の完全な支配下に置かれることになる。

合意にはシリア全土での停戦と、親アサド派戦闘員との戦闘におけるSDFの支援が含まれている。

またSDFはシリアに不可欠な存在であり、市民権を持ち、憲法上の権利が保証されていることも確認している。

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは専門家の話しとして、「SDFが支配する地域の憲法上の地位がどうなるのか、自治権が保持されるかどうかは不明だ」と伝えている。

アブディ氏は先月、サウジ国営メディアのインタビューで、「我々は自治権の維持を求めている」と述べていた。

オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1984年に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。

SDFは米政府の支援を受け、シリアにおけるイスラム国(ISIS)との戦いで主導的な役割を果たしてきた。その先頭に立つのは「クルド人民防衛部隊(YPG)」で、トルコ政府はこれをテロ組織に指定している「クルド労働者党(PKK)」の同盟組織とみなしている。

SDFは昨年末、シリア北部のトルコ国境付近の領土を奪還するため、トルコ政府が支援する「シリア国民軍(SNA)」に対する反攻を開始した。

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