◎イスラエルは宿敵イランと同盟関係にあるアサド政権の支配下に置かれている地域を数百回攻撃してきたが、空爆を行ったと認めたことはほとんどない。
シリア中部、イスラエル軍の空爆を受けた建物(AP通信)

イスラエル軍によるシリア中部への空爆について、シリア政府は9日、これまでに18人の死亡を確認し、負傷者は数十人にのぼると発表した。

国営シリア・アラブ通信(SANA)によると、イスラエル軍は9日早朝、中部ハマ州の高速道路などにミサイルを撃ち込んだという。

イギリスのNGO「シリア人権監視団」は9日、シリアで活動するイランの民兵拠点と兵器開発を行っている研究所などが標的になったと報告した。

アサド政権の高官は民間人が標的になったと述べている。

イスラエル軍はコメントを出していない。

イスラエルは宿敵イランと同盟関係にあるアサド政権の支配下に置かれている地域を数百回攻撃してきたが、空爆を行ったと認めたことはほとんどない。

空爆の標的は国軍かイランの支援を受ける勢力であることが多い。イランはレバノンの過激派ヒズボラに武器を送る際、シリアを中継地として利用している。

SANAは関係者などの話しとして、「ハマ州の主要高速道路が通行不能になり、火災も確認された」と伝えている。

大統領府の報道官は記者団に対し、「イスラエルによる残忍で野蛮な攻撃だ」と語った。それによると、死者は18人にのぼり、40人近くが負傷したという。

シリア人権監視団は民間人5人を含む少なくとも25人が死亡し、その一部はシリア軍兵士やヒズボラとつながりのあるイラン系武装民兵の戦闘員とみられると報告している。

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