シリアとイスラエル、「緊張緩和」で合意間近、米特使が発表
シリアとイスラエルは1948年のイスラエル建国以来、敵対し続けてきた。
と米国のトム・バラック特使(AP通信).jpg)
米国のトム・バラック(Tom Barrack)シリア特使は23日、シリアとイスラエルの緊張緩和に向けた合意が成立間近であると明らかにした。
バラック氏は国連本部の記者団に対し、「イスラエルがシリアへの攻撃を停止する一方、シリアはイスラエル国境付近に部隊や兵器を移動させないことに合意する見通しだ」と語った。
またバラック氏は、「この合意は両国が交渉してきた安全保障協定に向けた第一歩になるだろう」と述べた。
さらに、「トランプ(Donald Trump)大統領は今週中の成立を目指しているが、これまでのところ十分な進展は見られず、合意は遅れるだろう」とした。
シリアとイスラエルは1948年のイスラエル建国以来、敵対し続けてきた。
両国は直接的な和平協定を結んでおらず、国境を挟んで軍事的緊張が続いている。特にゴラン高原を巡る領土問題が中心的な争点となっている。この地域は戦略的に重要であり、1967年の第三次中東戦争でイスラエルが占領し、その後も支配を続けている。
シリアはパレスチナ問題においても積極的な立場を取っており、イスラエルに対する敵対的な姿勢を維持してきた。また、シリアはレバノンのヒズボラやイランといった親イスラム勢力との連携を強化し、イスラエルに対抗するための軍事的・政治的な同盟を形成している。これにより、シリアとイスラエルの関係はより複雑化している。
アサド政権崩壊以来、イスラエルはシリア領内でのイランの影響拡大を警戒している。イスラエルは、シリア領内でのイランの軍事拠点建設や武器供与を阻止するため、空爆などの軍事行動を行ってきた。これにより、両国間の軍事的緊張が高まっている。
シリアとイスラエルの関係は、地域の安全保障や国際政治において重要な位置を占めており、今後の動向が注目される。両国が和平に向けた対話を進めることは難しい状況にあるが、国際社会の仲介や圧力が効果を上げる可能性もある。