◎イスラエルは宿敵イランとつながりあるアサド大統領の支配下に置かれている地域を数百回空爆してきたが、作戦を実行したと認めたことはほとんどない。
国営シリア・アラブ通信(SANA)は29日、イスラエル軍がシリア中部ホムスを空爆し、民間人3人が負傷したと報じた。
SANAは関係者の話しとして、「イスラエル軍はホムスの民間燃料基地を空爆し、多数の燃料タンカーやトラックが焼失した」と伝えている。
SANAによると、シリア軍の防空部隊はイスラエル軍が放ったとみられるミサイルの一部を撃墜したという。
SANAは「この空爆により、ホムスの南地区で火災が発生し、何度も爆発音が聞こえた」と報じた。
イギリスのNGO「シリア人権監視団」は同日、「イスラエル軍のミサイルがホムス郊外にある軍用飛行場に着弾し、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの弾薬庫を破壊した」と報告した。
それによると、イスラエル軍がホムスの空港を空爆したのは今月2回目。SANAは今月2日にホムスの複数の施設が空爆を受け、兵士5人が負傷したと報じていた。
シリア人権監視団によると、2日の空爆ではヒズボラの戦闘員2人が死亡したという。
イスラエル政府と軍は今のところコメントを出していない。
イスラエルは宿敵イランとつながりあるアサド(Bashar al-Assad)大統領の支配下に置かれている地域を数百回空爆してきたが、作戦を実行したと認めたことはほとんどない。
今年に入り、イスラエルによるシリアへの攻撃は強化され、4月8日には国境付近で交戦に発展した。イスラエル軍はシリア南部からゴラン高原に向けてロケット弾6発が発射された後、「攻撃に対応した」と声明を出した。
SANAは今週初め、イスラエル軍がシリア南部ゴラン高原近くの標的を砲撃したと報じた。