◎事件はイラクと国境を接するデリゾール郊外の砂漠地帯で発生。アサド政権の兵士を乗せたバスが武装集団の待ち伏せ攻撃を受け、少なくとも23人が死亡、10人が負傷した。
シリア東部の都市デリゾールでイスラム国(ISIS)の残党とみられる武装集団が陸軍のバスを急襲し、兵士少なくとも23人を殺害した。地元当局が11日、明らかにした。
イギリスのNGO「シリア人権監視団」によると、事件はイラクと国境を接するデリゾール郊外の砂漠地帯で発生。アサド政権の兵士を乗せたバスが武装集団の待ち伏せ攻撃を受け、少なくとも23人が死亡、10人が負傷したという。
同国東部の事件を扱う活動家団体は兵士少なくとも20人が死亡、数人が負傷したと伝えている。
国営シリア・アラブ通信(SANA)は軍当局者の話として、「待ち伏せ攻撃は10日夜に発生し、多数の兵士が死傷した」としている。それ以上の詳細や死傷者の内訳には言及していない。
ISISは2014年6月にカリフ制国家の樹立を宣言。シリアとイラクの大部分を支配した。その後、ISISは領土を失い続け、2017年にイラク、2019年にはシリアで敗北を喫した。
ISISの残党は今年2月、中部の町でトリュフを採っていたグループとアサド軍の検問所を襲撃し、少なくとも53人を殺害した。
一部の専門家は「ISISがこれらのテロ攻撃で勢いを取り戻したかどうかを判断することは難しい」と指摘している。
ISISは先週、昨年11月から組織を率いてきたとされる最高指導者、アブ・フセイン・フセイニ・クラシ(Abu al-Hussein al-Husseini al-Qurashi)が国際テロ組織アルカイダとつながりのある組織との戦闘で死亡したと発表し、後継者を指名した。
フセイニ・クラシは殺害された4人目のISIS最高指導者とみられる。その詳細は全く明らかになっておらず、どこに拠点を置いていたかも不明であった。