シリア暫定政府、スウェイダの宗派間抗争を調査する委員会創設
地元当局は一連の戦闘で1000人以上が死亡、数千人が負傷したと報告している。
.jpg)
シリア暫定政府が南部スウェイダ県で先月発生した宗派間抗争を調査する委員会を立ち上げた。現地メディアが1日に報じた。
それによると、司法省は判事、弁護士、軍関係者を含む7人の委員からなる専門家委員会を創設。衝突に至った経緯などを調査し、3カ月以内に報告書を公表する予定だという。
スウェイダでは先月13日、アラブ遊牧民ベドウィンの武装勢力と地元のドルーズ派の治安部隊および民兵が衝突し、銃撃戦に発展。子供を含む多くの一般人が巻き込まれた。
ドルーズ派はイスラム教シーア派の分派のひとつ。世界の約100万人のドルーズ派の半数以上がシリアに住んでいる。
他のドルーズ派のほとんどは1967年の第三次中東戦争でイスラエルがシリアから奪取し、1981年に併合したゴラン高原を含むイスラエルに住んでいる。
地元当局は一連の戦闘で1000人以上が死亡、数千人が負傷したと報告している。
暫定政府は衝突発生直後に軍を派遣したものの、ドルーズ派の保護を名目にイスラエル軍が軍事介入したため、いったん撤退。イスラエル政府はその後、シリア軍がスウェイダに立ち入ることを許可した。
ベドウィンは20日までにスウェイダから撤退。それ以来、国軍が治安維持任務に当たっている。
委員会は民間人に対する攻撃や虐待の報告を調査し、それに関与した者の責任を問うとしている。
スウェイダはドルーズ派が多数派を占める地域だが、スンニ派の部族も居住しており、両宗派は土地やその他資源をめぐり、長年対立してきた。
国連によると、一連の戦闘により、スウェイダ全域で推定17万5000人が避難を余儀なくされ、その多くが首都ダマスカスなどの避難所に身を寄せているという。