◎シリアの製薬会社は原材料の大半を輸入しているため、自国通貨(シリアポンド)の価格変動の影響を受けやすい。
シリアのアサド政権が医療用医薬品の公定価格を大きく引き上げるようだ。国営メディアが8日に報じた。
国営シリア・アラブ通信(SANA)は政府高官の話を引用し、「薬価は50~80%値上げされる」伝えているが、値上げの理由は明らかにしていない。
シリアの製薬会社は原材料の大半を輸入しているため、自国通貨(シリアポンド)の価格変動の影響を受けやすい。
各社は最近、シリアポンドの暴落に対応するため、薬価を引き上げるよう政府に要請していたようだ。
シリア内戦の犠牲者は50~60万人と推定され、10万人以上が行方不明になったとみられる。戦前の人口のおよそ半数が国外に逃亡した
シリアポンドは2011年、「1ドル=47シリアポンド」前後で取引されていた。先週は「1ドル=1万3000シリアポンド」。年初は約7000シリアポンドだった。
国連によると、シリアの最低月給は13万シリアポンド(約1700円)である。
シリアの経済は内戦、欧米の制裁、蔓延する汚職、そして2019年10月に始まった隣国レバノンの歴史的な経済破綻によって大きな打撃を受けている。