◎ロシアと中国の支援を受けるアサド政権はイスラム国(ISIS)系組織との戦争が続く中、2015年以来東部の広範囲を支配するクルド勢力への攻撃も続けている。
シリアのアサド政権と反体制派が支配する地域の境界付近で砲撃が確認され、検問所が封鎖された。地元当局が20日、明らかにした。
それによると、現場は東部アレッポ県近郊。検問所の再開に抗議する反体制派がアサド陣営に砲弾を撃ち込んだとみられる。
この検問所は18日に試験的に運用を再開。数台のトラックが行き来した。イギリスのNGO「シリア人権監視団」によると、砲撃は19日と20日に少なくとも2回確認されたという。
国営シリア・アラブ通信(SANA)は今年6月、この検問所が「正常化への一歩」として運用を再開すると報じた。
それ以来、トルコ政府の支援を受ける反体制派の住民はこの報道に怒りを表明し、抗議デモを続けてきた。
現地メディアによると、検問所周辺では運用再開に抗議する数十人が座り込みデモを続けているという。
シリア人権監視団は声明で、「反体制派の領内から砲撃や銃撃が確認された」と述べたが、詳細は分からないとした。
また同監視団は「この砲撃により、アサド側に向かおうとしていた多数のトラップが待機を余儀なくされた」と明らかにした。
トルコ政府の支援を受ける反体制派の幹部は検問所の再開が事実であることを認めたものの、関係正常化の一歩であるという報道は否定した。
シリア内戦の犠牲者は50万~60万人と推定されている。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。