◎シリアの難民キャンプに潜伏しているイスラム国(ISIS)の戦闘員はそのイデオロギーに従わない者を殺害している。
シリアの難民キャンプ(Getty Images)

英NGO「シリア人権監視団」は15日、シリア北東部ハサカ県にあるアルホル避難民キャンプでエジプト人の少女2人の斬首遺体が見つかったと明らかにした。

同監視団によると、2人の遺体は行方不明になってから数日後にキャンプ内の下水道で発見されたという。

AP通信はキャンプ関係者の話を引用し、「年齢は11歳と13歳」と報じている。

報道によると、米国の支援を受けるクルド人主導の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」の関係者も2人の死亡を確認したという。

シリアの難民キャンプに潜伏しているイスラム国(ISIS)の戦闘員はそのイデオロギーに従わない者を殺害している。

国連報道官は声明で、「この事件は難民キャンプがひどい状態にあることを示している」と懸念を表明した。

米国の支援を受けるシリアの民兵は9月、この難民キャンプでISIS掃討作戦を決行した。

ISISは2019年3月にシリア東部の最後の支配地を失ったが、多くの戦闘員や工作員がシリアとイラクで攻撃を続けている。

アフホルのキャンプで生活するシリア人とイラク人は約5万人と推定されている。そのうち2万人近くが子供、残りはほとんど女性である。

国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」は今月初め、このキャンプ内で暴力と搾取が蔓延していると報告した。

MSFは「このキャンプに閉じ込められた人々の母国は、自国民を保護するという責任を放棄している」と非難している。

シリア人権監視団によると、殺害された少女2人は熱心なISIS支持者とされる女性2000人と子供8000人が収容されている区画で生活していたという。

アルホルキャンプで今年確認された犯罪はこれで28件。少なくとも30人が殺害されている。

シリア内戦の犠牲者は40万人近くに達し、国土の大部分は廃墟と化した。国連によると、人口の半数以上が避難民となり、数百万人がトルコなどの近隣諸国に逃亡したという。

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