◎バスは13日早朝にトルコの事実上の保護領になっているアレッポ県で攻撃を受けた。
シリアの国営シリア・アラブ通信(SANA)は13日、軍用バスがロケット攻撃を受け兵士10人が死亡、9人が負傷したと報じた。
シリアではロシアとトルコが仲介した2020年3月の停戦合意以降も散発的な戦闘が続いている。アサド政権は停戦をほぼ維持している。
SANAによると、バスは13日早朝にトルコの事実上の保護領になっているアレッポ県で攻撃を受けたという。
SANAは、「反政府勢力が対戦車ミサイルでバスを攻撃した」と報じた。
犯行声明は出ていないと伝えられている。
しかし、反政府武装勢力「アフラール・シャーム」は13日、バスにロケット弾が着弾する動画をテレグラムチャンネルに投稿し、「これはアレッポ県の西部で親アサド派の軍事バスが破壊される瞬間を映した映像だ」と説明した。
現地メディアによると、動画のバスが13日に攻撃を受けた軍用バスかどうかは分からないという。
アサド(Bashar al-Assad)大統領を支持するレバノンのイスラム過激派勢力ヒズボラの首長は13日遅くのテレビ演説で犠牲者に哀悼の意を表した。
ロイター通信は親アサド派の関係者のコメントを引用し、「死亡したのはこの地域の町に住む親政府のシーア派戦闘員だった」と報じている。
アサド政権は11年に及ぶ血みどろの内戦で反政府勢力に奪われた領土を奪還しようとしている。内戦の犠牲者は数十万人に達し、人口の半分が国外避難民になり、国土の大部分は破壊され、復興には数千億ドルかかると見積もられている。
シリア北西部は反政府勢力の最後の主要拠点とされる。
ロシアが内戦に介入する前、アサド政権は国土の5分の1をかろうじて死守していた。しかし、ロシアとイランの介入でアサド政権は反攻を開始し、主要都市を奪取した。
ロシアは2015年以来、反政府勢力を定期的に空爆している。