◎反体制派が電光石火の進撃を開始してから2週間も経たぬうちにアサド政権は崩壊した。
ロシアのプーチン大統領(左)とシリアのアサド大統領(Getty Images)

シリアから逃げ出したアサド(Bashar Assad)大統領とその家族がロシアの首都モスクワに到着し、亡命を認められた。ロシアメディアが8日に報じた。

国営タス通信は複数の情報筋の話しとして、「アサド氏と家族は無事であり、モスクワの空港から安全な場所に向かった」と伝えている。

その他メディアも情報筋の話しを引用して、「ロシアは人道的な理由で一家の亡命を許可した」と報じた。

タハリール・アルシャーム機構(HTS)とその同盟組織は先月末、アサド政権の支配下にある北部アレッポ県に攻め込み、全土を制圧。正規軍への攻撃を本格化させた。

HTSはその後、中部の要衝ハマに侵攻。第3の都市ホムスもあっさり制圧した。

HTSは7日、首都ダマスカスを制圧し、アサド政権の終焉と「復讐のない新時代」の始まりを宣言。さらにHTS司令部は8日、アサド氏が国を去ったと発表。「独裁政権から解放された」と宣言した。

反体制派が電光石火の進撃を開始してから2週間も経たぬうちにアサド政権は崩壊した。

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは関係筋の話しとして、「アサド氏と家族はラタキア県にあるロシア空軍基地に移動し、その後ロシア軍機に乗り込み、モスクワに向かった」と伝えている。

ラタキアのロシア空軍基地は中東と地中海におけるロシアの勢力拡大にとって重要な拠点のひとつとみなされている。

バイデン(Joe Biden)大統領は8日の演説で、アサド氏がどこにいるかは分からないが、モスクワにいるという情報があると述べていた。

またバイデン氏はアサド政権の終焉を歓迎し、「長い間苦しんできたシリアの人々にとって、より良い未来を築く歴史的なチャンスの瞬間だ」と強調した。

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