シリアSDF、アレッポ東部から部隊撤退、地域の緊張高まる中
撤退は現地時間1月17日午前7時に開始される予定で、アブディ氏は「友好国や調停者からの要請に応じたものである」と説明した。
とSDFのアブディ総司令官(AP通信).jpg)
シリア・クルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」のアブディ(Mazloum Abdi)司令官は16日、北部アレッポの東部に展開する部隊を撤退させ、ユーフラテス川東岸の地域に再配置すると発表した。撤退は現地時間1月17日午前7時に開始される予定で、アブディ氏は「友好国や調停者からの要請に応じたものである」と説明した。
アブディ氏はX(旧ツイッター)への投稿で、「撤退は友好国や調停者からの要請に基づく善意の行動であり、昨年3月に合意された軍統合プロセスの履行に向けた誠意の表れである」と述べた。SDFはユーフラテス川以東の地域への再配置を進める方針とし、これにより政府軍との直接的な衝突を回避し、和平協議の進展につなげたい考えだ。
今回の撤退は最近激化したアレッポ東部での戦闘を受けて決定された。政府軍とSDFの間では数日にわたり衝突や砲撃が続き、地域全体で緊張が高まっていた。暫定政権はこれらの地域を軍事区域に指定し、市民に避難を呼びかけていた。
SDFは長年にわたりシリア北東部の大部分を支配し、米軍とともにイスラム国(ISIS)との戦いを主導してきた。シャラア暫定政権との間で昨年3月に軍事・政治統合を目指す合意が成立したものの、その実施は度重なる対立と不信により停滞していた。合意にはSDF部隊の国防省への統合や、支配地域の政府機構への組み込みが含まれている。
暫定政権側はSDFの撤退決定に歓迎の意を示し、SDFがユーフラテス川西側から撤退することで治安と国家主権の回復につながるとの見方を示している。国防省は声明で、撤退完了後に同地域に治安部隊を配備し、住民の安全な帰還と国家機関の再開を進めると表明した。
一方、SDFと政府軍の間では、統合をめぐる信頼の欠如が続いている。両者は依然として政治的立場や部隊の役割、武装勢力としての地位に関する基本的な見解で隔たりを残している。SDFは一定の自治権を保持したまま政府の枠組みの中で活動することを望んでいるが、政府側は一元的な国家統治と軍統合を強調してきた。
今回の再配置は内戦以降続く複雑な勢力バランスの転換点となる可能性がある。関係国や調停者は、停戦と政治的和解の進展につなげるための継続的な交渉を促しているが、現地の安全保障環境は依然として不安定であり、予断を許さない状況が続きそうだ。
