シリア北部のクルド地域で反政府デモ、緊張高まる
数千人の参加者が中央政府に対する不満を示す横断幕や、最近の戦闘で死亡したクルド戦闘員の写真を掲げた。
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シリア北東部カミシュリで13日、アレッポ県での暴力とクルド武装勢力の追放に抗議する大規模なデモが行われた。数千人の参加者が中央政府に対する不満を示す横断幕や、最近の戦闘で死亡したクルド戦闘員の写真を掲げた。
アレッポでは先週、政府軍とクルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」との間で激しい衝突が5日間続き、少なくとも23人が死亡、15万人以上がクルド管理地区から避難した。SDFの最後の部隊は11日未明に同市から撤退した。
デモ参加者はシャラア(Ahmed al-Sharaa)大統領やトルコ外相の顔写真に赤い×印を付け、「クルド人の殺害者」と批判するプラカードを掲げた。トルコ政府はSDFをクルド労働者党(PKK)と関連付けてテロ組織に指定している。
多くのデモ参加者はシャラア氏が14年に及ぶ内戦後に国を統一すると約束したにもかかわらず、クルド人の権利承認や政治的包摂が進んでいないことに失望感を示している。クルド人社会の宗教・信条評議会の委員長は演説で、「クルド人を真に愛するならば、シリア憲法に彼らの権利を認めなければならない」と訴えた。
一方、国防省はアレッポ東部の一部地域を「閉鎖軍事区域」と宣言し、SDFなどの武装勢力にユーフラテス川東岸への撤退を命じた。この動きはさらなる戦闘の可能性と地域全体の緊張激化への懸念を高めている。
SDF支配地域の住民はアレッポでの暴力が昨年のアラウィー派やドルーズ派への宗派的な殺害を思い起こさせると述べ、「全面戦争が起これば民衆はさらに苦しむだけで、地域人民の共存を妨げる」と危機感を示した。
アレッポでの衝突は2024年12月にアサド政権が崩壊して以降、シリア国内での政治的・軍事的緊張が続く中で起きたものである。SDFは米国などの支援を受けイスラム国(ISIS)との戦いで中心的役割を果たしてきたが、新政府との統合や自治権の確立を巡る交渉は進展していない。
国際社会もこの情勢を注視しており、国連はクルド地域での緊張の高まりに深刻な懸念を表明した。またイラクはシリアとの国境地帯の治安強化を進め、紛争が他地域に波及する可能性に警戒を強めている。
こうした状況は、シリア内戦後の国家統一と少数民族の権利保障を巡る課題が依然として深刻であることを示しており、国内外での政治的対話と緊張緩和への取り組みが一層求められている。
