◎29日にシリアを訪問したイランの新外相ホセイン・アミール・アブドラヒアン氏は、首都ダマスカスの政府庁舎でファイサル・メクダッド外相と会談した。
8月29日、シリアとイランは両国に課せられたアメリカの制裁に立ち向かうための「強力な措置」を講じると誓った。
29日にシリアを訪問したイランの新外相ホセイン・アミール・アブドラヒアン氏は、首都ダマスカスの政府庁舎でファイサル・メクダッド外相と会談した。
イランはシリアのバッシャール・アル=アサド大統領の強力な支持者のひとりであり、約50万人を殺し、推定2,300万人を国外避難民にした致命的な内戦に数千人の戦闘員を送り込んだ。
イラン、ロシア、イスラム過激派組織ヒズボラ、パレスチナ人民解放戦線などの支援を受けるシリア軍は、革命軍、イスラム国(ISIS)、人民防衛隊を含む反政府勢力と10年以上戦っているが、血みどろの内戦が終結する見通しは全く立っていない。
シリア政府はイランなどの助けを借りて国土の大部分を支配したが、アメリカとEUの厳しい経済制裁に何年も苦しめられている。
米財務省の制裁はシリア、イラン、ロシアにまたがるネットワークを対象としており、シリアへの石油の輸出をブロックした。
ドナルド・トランプ前大統領は2018年、イラン核合意から撤退したうえでイランに経済制裁を科した。
シリアはイランの石油輸送に依存していたため、トランプ前大統領の制裁はシリア国内で深刻な燃料危機を引き起こした。
親イランのシリア政府は、イランのナタンツ核施設や石油サイトなどで発生したテロ攻撃をイスラエルの犯行と断言したが、イスラエルはこの主張を却下している。
イランのアブドラヒアン外相は記者団に対し、「両国の指導部はアメリカを含む西側の経済テロに立ち向かい、国民にかかる圧力を軽減するために強い措置を講じるだろう」と述べたが、具体的にどのような行動に出るかは明らかにしなかった。
またアブドラヒアン外相は、シリアを「抵抗の地」と呼び、両国は協力して大きな勝利を収めたと強調した。
イランはイラクの首都バグダッドで28日に開催された中東情勢について協議する国際会議に出席したが、2011年11月にアラブ連盟から除外されたシリアは参加を見送った。