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シリア暫定政権、クルドSDFとの停戦を15日間延長

これは週末に期限を迎えた停戦が一旦失効した直後に決定されたもので、両者が国際的な仲介を通じて合意に達したとしている。
2025年7月14日/シリア、南部スワイダ、ドルーズ派とアラブ遊牧民ベドウィンが衝突した地区(AP通信)

シリア暫定政権は24日、クルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」との間で成立していた4日間の停戦を15日間延長することで合意したと発表した。これは週末に期限を迎えた停戦が一旦失効した直後に決定されたもので、両者が国際的な仲介を通じて合意に達したとしている。

停戦は1月24日午後11時に発効。暫定政権によると、この措置は米軍によるイスラム国(ISIS)構成員のイラクへの移送を支援することを目的としている。暫定政権とSDFは軍事行動を停止し、当面の衝突回避を図ることになった。

SDF側も停戦延長を確認し、「合意を尊重し、民間人の保護と安定に必要な条件の整備に貢献する」との声明を出した。ただし、政府軍が部隊を増強し、戦闘準備を進めているとの観測もあり、衝突再燃の可能性が完全に排除されたわけではないと指摘されている。

この停戦延長は数週間にわたる激しい戦闘の中での一時的な緊張緩和を意図したものである。国軍は先月末からSDF支配地域に対して攻勢を強め、これまで同勢力が管理していた北東部の広範な地域を奪取している。これには油田や重要なインフラ、ISIS関連の拘置施設も含まれ、SDFの支配力は著しく低下している。

特にラッカ近郊にある刑務所では政府軍がSDFから引き継いだ施設で、ISISの構成員や関係者が大勢収容されている。国営メディアは未成年者126人が解放され家族のもとへ送還されたと報じたが、約9000人に上るISIS構成員の多くは依然としてSDF管理下にあるとされる。

政府とSDFの対立の背景には、昨年3月に両者が合意した統合協定がある。この協定ではSDF戦闘員や自治機構を政府軍や警察に組み込む方針が示されていたが、実施方法を巡る対立で難航していた。年末の延長後も協議は難航し、これが武力衝突に発展する要因となっていた。

国際社会もこの動きを注視している。米国とフランスは暫定政権に対し、クルド勢力を標的とした大規模攻撃を控えるよう強く促している。両国はクルド系住民に対する潜在的な人権侵害や民間人被害を懸念しており、軍事的緊張が拡大することに警戒感を示しているという。

今回の停戦延長は真の和平への道筋を示すものとはいえ、シリア北東部の政治的・軍事的な不安定さは依然として根深い状況にある。特に政府がSDF支配地域の完全掌握を目指す意図を隠さない中で、停戦期間中に双方がどのような措置を取るかが、今後の情勢を左右する重要なポイントとなる。

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