シリア・アレッポで国軍とSDFの戦闘続く、暫定政権が停戦を宣言
国防省は声明で、SDFを含む武装勢力に対し、この3地区から撤退するよう求めた。
との戦闘が発生した現場近く(ロイター通信).jpg)
シリア北部アレッポにおける政府軍とクルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」との戦闘について、暫定政権は9日未明、同市内の3地区で停戦を宣言した。
国防省は声明で、SDFを含む武装勢力に対し、この3地区から撤退するよう求めた。
今回の戦闘は1月6日に激化し、SDFとアレッポを統治する国軍との間で銃撃や火砲の応酬が続いた。政府側はこれまでに都市部での軍事作戦を進め、住民に避難命令を出して退避を促し、数十万人規模の住民が避難を余儀なくされた。当局は戦闘で少なくとも数人の民間人が死亡したと報告。避難者の増加により、人道状況の悪化が懸念されている。
政府は声明で、3地区を「軍事行動区域」とする一方で、SDFに対し、現地時間午前9時までに3地区を撤収するよう求めた。これを過ぎれば軍事行動を再開する可能性があるとしている。これに対し、SDF側は国軍の攻撃について「民間人を危険にさらすもの」と批判し、停戦宣言が実効性を持つか疑問視する声も聞かれる。
この衝突はクルド人住民が多数を占める地区が争点となっており、政府とSDFの間には政治的・軍事的な溝が横たわる。双方は2025年3月、SDF部隊を正規軍へ統合することで合意に達したものの、それ以降も統合は進まず、対立が続いていた。戦闘再発の背景にはこの合意の不履行があると分析されている。
国際社会はアレッポ情勢への懸念を強めている。米国は戦闘の即時停止と人道支援の拡大を求める立場を示し、関係各国・国際機関による仲介努力が進められている。シリア内戦は2011年に勃発し、各地域で支配勢力が分裂した状態が続いている。停戦宣言によってアレッポでの戦闘がどの程度鎮静化するかが注目されている。
トルコも停戦に関心を示し、SDFを「テロ組織」とみなす立場から暫定政権側への支援の意向を表明しているが、同時に戦闘の拡大は避けるべきだとの見解も示している。このため、地域の安定化に向けた外交的な動きが今後一段と重要になると見られている。
この停戦が継続的な和平につながるかどうかは不透明であるものの、少なくとも市民の被害拡大を防ぐための一歩として評価する向きもある。アレッポを巡る戦闘と政治的対立は依然としてシリア情勢の核心的課題であり、関係各国の調整と対話の進展が求められている。
