報告によると、ロシア軍がシリア北部イドリブ州ハーレム地域の反政府勢力支配地を空爆し、民兵50人以上が死亡、多くの民間人が負傷したという。
イドリブ州の反政府勢力(ジハード主義者)はトルコの支援を受けており、今回の空爆は同州での暴力の拡大を意味している。
標的はフェーラキャル・シャムと呼ばれるイスラム教徒グループの訓練基地だった。
イギリスを拠点とする非政府組織、シリア人権監視団(SOHR)は、死者の数を78人と報告した。
またSOHRによると、負傷者の一部は深刻な状態にあり、死者はさらに増加する可能性が高いという。
イドリブ州北西部に位置するハーレム地域への空爆は、3月の停戦発効以来、最も悲惨な結果を招いた。
この停戦により、約100万人が避難した同州での戦闘はようやく収まった。
停戦発表時、トルコはシリアのバゥシャール・アル・アサド大統領と同盟関係を結んだロシア軍の攻撃に対し、「全力で報復する機会と権利を留保した」と述べている。
イドリブ州は、9年にわたるシリア内戦で殴打された反政府勢力とジハード主義者が統治する最後の州である。
10月26日/空爆後の様子
シリア北部イドリブ州
SOHRによると、救助活動は現在も続いているという。
イドリブ州の医師は、訓練基地から24km以上離れた州の中央病院で2人の遺体を受け取り、11人の負傷者を確認したと述べた。
オンラインニュース、MacroMedia Centerの報道によると、死亡したひとりはメディア活動家のラシダル・バーク氏だったという。
あるフェイスブックグループはイドリブ州の住民に対し、州内の病院に親戚や知人がいないか確認するよう促していた。これは多くの人が空爆後に行方不明になったことを示している。
トルコとロシアの仲介による停戦は、シリア政府の攻撃を停止させた。その後、状況を監視するトルコ軍の観測点がイドリブ州内に12カ所設置されている。
しかし、停戦発効後も状況は不安定なままである。
23日にはシリア北部アレッポの反政府勢力支配地、ジャラブルスへの空爆で7人が死亡した。
シリアの専門家、チャールズ・リスター氏はABCニュースの取材に対し、「26日の攻撃はトルコとロシアの緊張の高まりにより発生したと見るべきだ」と述べた。
チャールズ・リスター氏:
「空爆はイドリブ州の安定を脅かし、新たな戦いを引き起こす可能性がある」
10月20日/アサド大統領とロシアが民間人を爆撃