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シリア・米軍部隊襲撃、容疑者5人逮捕、捜査継続中

事件は12月13日に発生、パトロールを行っていた米兵とシリア軍部隊が正体不明の武装勢力から銃撃を受け、米兵2人と米国人民間契約通訳者1人が死亡、複数人が負傷したと伝えられている。
シリア、米中央軍の兵士(CENTCOM)

シリア内務省は14日、同国中央部の古都パルミラ近郊で発生した米軍とシリア軍部隊に対する銃撃事件に関連して、5人の容疑者を逮捕したと発表した。事件は12月13日に発生、パトロールを行っていた米兵とシリア軍部隊が正体不明の武装勢力から銃撃を受け、米兵2人と米国人民間契約通訳者1人が死亡、複数人が負傷したと伝えられている。

内務省は容疑者たちについて、事件への関与が疑われると説明。逮捕に至った詳しい経緯や個々の容疑内容については明らかにしていない。捜査は継続中であり、関係当局は銃撃の背景や武装勢力との関連性を詳しく調べているという。

この事件では米軍とシリア軍が共同で行っていたパトロールが標的になったとみられ、シリア側でも負傷者が出たとの情報がある。国営シリア・アラブ通信(SANA)はシリア兵と米兵を含む複数が死傷したと伝えているが、公式な負傷者数や被害状況の詳細は依然として不明である。

米国防総省によると、米軍関係者は当時「対テロ作戦の支援任務」に従事しており、シリア側と共同で活動していた。パルミラ周辺はイスラム過激派組織「イスラム国(ISIS)」の影響下にあった過去があり、地域の安全保障環境は依然として不安定な状態が続いている。

ロイター通信によると、米当局は今回の銃撃が単独犯か複数の組織的な攻撃かについても調査している。負傷した米兵のうち数人は近隣の米軍基地に搬送され治療を受けているとされるが、国防総省は正式なコメントを控えている。

シリアではアサド政権の崩壊後に成立した暫定政権が治安回復を進めており、米軍との協調も一部で強化されていた。だが、武装勢力による偶発的な襲撃や奇襲攻撃は依然として発生しており、地域の緊張は解消していない状況だ。

トランプ(Donald Trump)大統領は「ISISによる攻撃だ」と非難し、厳しい報復を示唆している。シリア政府が完全に統制していない地域での襲撃であり、今後の地域安定化方針や米・シリア両国の協力関係にも影響が出る可能性がある。

国際社会はこの事件を受けて、シリア情勢に対する懸念を強めている。特に中東地域の安全保障をめぐる米軍の関与は米国内でも論争の的となっており、今回の発砲事件が今後の米軍戦略やシリアとの協調政策にどのような影響を与えるかが注目されている。

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