◎両国の関係は首都ストックホルムの市庁舎近くにエルドアン大統領を模したマネキンが吊るされた事件で悪化した。
スウェーデン政府は19日、ジョンソン(Pål Jonson)国防相がトルコを訪問し、複数の問題について協議する予定と明らかにした。
ジョンソン氏は公共放送スウェーデン・テレビ(SVT)のインタビューでトルコ政府から招待を受けたと述べ、来週末には訪問できるという見方を示した。
両国の関係は首都ストックホルムの市庁舎近くにエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領を模したマネキンが吊るされた事件で悪化した。
トルコ政府はスウェーデン地検がこのマネキン吊るし上げ事件を捜査しないと決定したことに抗議し、「不合理」と非難している。
トルコ政府はこの事件を受け、スウェーデン連邦議会議長との会合をキャンセルした。
ストックホルム地検はAP通信の対し、「人形吊し上げを含む抗議デモで違法行為は確認できず、刑事捜査の対象になることはない」と語った。
しかし、トルコのチャブシオール(Mevlut Cavusoglu)外相はこのデモを「人種差別と憎悪を煽るヘイトクライムに相当する」と非難し、スウェーデン地検の決定に異議を唱えた。
チャプシオール氏はスウェーデン政府に「地検の決定は大きな間違いだ」と警告している。
スウェーデンのクリステルソン(Ulf Kristersson)首相はこのデモを「NATO加盟を妨害する行為」と呼んだ。
トルコ政府はスウェーデン政府がトルコ国内でテロ組織に指定されているクルド労働者党(PKK)などの武装勢力を取り締まるまでNATO加盟申請を批准しない方針である。
スウェーデンとフィンランドは昨年5月、ロシアのウクライナ侵攻を受け、NATOに加盟を申請した。NATO加盟には現加盟30カ国の承認が必要である。申請を批准していない国はトルコとハンガリーのみとなった。