◎イスラエル軍は一晩中、ベイルート南端の様々な場所に攻撃をしかけた。
イスラエル軍がレバノンへの空爆を続ける中、多くの市民が建物のない首都ベイルートの海岸や公共広場に集まり、野営している。
28日朝、ベイルート南部のヒズボラ本部からはまだ煙が立ち上っていた。
海岸沿いに避難した女性はAP通信の取材に対し、「建物は狙われる可能性があるので、開けた場所で休むことにした」と語った。
現地メディアによると、避難所として開設された学校や公民館の多くが満員状態だという。何千もの家族が海岸、公園、車の中で一夜を明かした。
イスラエル軍は一晩中、ベイルート南端の様々な場所に攻撃をしかけた。
そして同軍は28日、前日の空爆でヒズボラの首長ナスララ(Hassan Nasrallah)師を殺害したと発表した。
ヒズボラはコメントを出していない。
現地メディアによると、イスラエル軍はヒズボラの中央本部に地下の標的を攻撃するよう設計された地中貫通型爆弾(バンカーバスター)を撃ち込んだとされる。
イスラエル軍はこの1週間、ヒズボラの武器庫や拠点にミサイルを撃ち込み、700人以上を殺害した。
イスラエルはヒズボラを無力化するまで攻撃を続けると宣言している。ナスララ師はガザ地区のイスラム組織ハマスと連携する指導者のひとり。イスラエルが最も危険視する人物だ。
レバノン南東部のシリア国境検問所には長蛇の列ができ、子供を含む数万人が途方に暮れている。国境職員は事務処理に圧倒されているようだ。
ミカティ(Najib Mikati)首相は現場に必要な要員を派遣し、市民に食料や飲料水などの物資を配るよう命じている。