イスラエル軍、ガザ全域を空爆、94人死亡、死者5万7000人超える

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は3日午後の時点で5万7130人、負傷者は13万5173人となっている。
2025年7月3日/パレスチナ自治区、ガザ市の病院(AP通信)

イスラエル軍が3日、パレスチナ・ガザ地区全域を空爆・砲撃し、過去24時間で少なくとも94人が死亡、数百人が負傷した。保健当局が明らかにした。

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは当局者の話しとして、「このうち少なくとも45人が米国とイスラエルが主導するガザ人道財団(GHF)の配給所近くでイスラエル兵に射殺されたり、空爆に巻き込まれて死亡した」と伝えている。

南部では避難所が空爆を受け、複数のテントが吹き飛び、少なくとも13人が死亡。そのうち6人が12歳未満の子供であった。

ガザ市では6歳の少女を含む8人が空爆に巻き込まれて死亡した。

ガザ市内の避難民を収容していた学校も空爆の標的となり、少なくとも15人が死亡。大勢が瓦礫の下敷きになったとみられる。

アルジャジーラによると、南部のGHFが運営する配給所の近くで少なくとも5人がイスラエル兵に射殺されたという。

さらに、少なくとも40人が援助物資を運ぶトラックを待つ間に死亡した。

イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦交渉が停滞する中、トランプ(Donald Trump)米大統領は1日、イスラエルが「60日間の停戦」に向けた条件に同意したと明らかにした。

イスラエル側は5月末にトランプ政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使が提示した停戦案を支持。ハマスは一部変更を求めている。

ウィトコフ氏は▽60日間の停戦▽ハマスの人質56人(遺体含む)のうち28人の解放▽1200人以上のパレスチナ人受刑者の解放▽ガザ地区への人道支援物資の搬入などを提案していた。

トランプ氏はイスラエルが同意したとされる停戦の条件を明らかにしておらず、ウィトコフ氏が示した案と同じかは不明である。

ハマスは過去の協議で「恒久的な停戦」を求めてきた。

一方、ハマス壊滅を目指すイスラエルは「期間を定めた停戦」には応じる姿勢を示している。

GHFは5月27日に南部の複数のエリアで配給所の運営を開始。それ以来、この配給所付近で600人以上のパレスチナ人が殺害され、5000人近くが負傷している。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は3日午後の時点で5万7130人、負傷者は13万5173人となっている。

多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。

国連によると、ガザの領土の80%以上がイスラエルの支配下にあるか、強制退去命令を受けている。

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