◎イスラエルは1日、ハンユニスの住民に退避を勧告。この地域に潜伏しているとされるイスラム組織ハマスへの再攻撃を示唆した。
パレスチナ・ガザ地区の保健当局は2日、イスラエル軍が退避勧告を出した南部ハンユニスの建物にミサイルが着弾し、子供を含む少なくとも12人が死亡したと発表した。
イスラエルは1日、ハンユニスの住民に退避を勧告。この地域に潜伏しているとされるイスラム組織ハマスへの再攻撃を示唆した。
ガザ当局によると、イスラエル軍は2日午後にハンユニス郊外の建物を空爆したという。これにより、一家9人と他の3人が死亡、うち5人が子供、3人が女性であった。
イスラエルによる退避勧告はこの数カ月で3度目。ハンユニスに戻った住民や避難者は着の身着のまま、安全とされる地域への避難を開始した。
国連によると、避難勧告の対象となったエリアで生活する住民は約25万人。その多くが今年初めの地上侵攻から逃れ、最近この地に戻った住民である。
エジプト国境の南部ラファからハンユニスに避難したという男性はAP通信の取材に対し、「どこに避難すればいいのか分からない。神よ、助けてください」と嘆いた。
ハンユニスにあるガザ地区で2番目に大きい総合病院も避難に追われた。
赤十字社によると、病院の敷地内に避難していた数千人、職員、200人以上の患者が避難を終えたという。病院は退避勧告を受け、一時閉鎖を余儀なくされた。
赤十字国際委員会(ICRC)の報道官は声明で、「一部の家族は安全なエリアに避難するため、病院の入院患者を引きずって、最大10キロの道のりを歩いた」と明らかにした。
それによると、病院の職員らはレントゲンや超音波診断装置、内視鏡検査装置などの機器を何とか運び出したという。
退避勧告から数時間後、イスラエル軍は声明を出し、「病院は命令に含まれていない」と発表した。
しかし、スタッフはイスラエル軍がハマスの地下拠点や隠れ家を攻撃するという名目で病院を標的にする可能性があると懸念し、避難を決断した。
ガザ当局によると、パレスチナ側の死者は3万8000人近くに達した。