◎事件は首都サヌアの東方約500キロに位置する基地で8日に発生した。
イエメン陸軍の兵士が同国東部の演習中にサウジアラビア軍兵士に向けて発砲し、2人が死亡、1人が負傷した。サウジメディアが9日に報じた。
それによると、事件は首都サヌアの東方約500キロに位置する基地で8日に発生したという。
国営サウジ通信はサウジ陸軍司令官の声明を引用し、「この卑怯な一匹狼は国民のために働くイエメン陸軍の名誉ある兵士とは全く異なるものであることを強調する」と報じた。
それによると、亡くなった2人と負傷者はサウジに戻ったという。
イエメン南部分離独立派「南部暫定評議会(STC)」は声明で、「テロ攻撃を行った兵士は東部地域に拠点を置く第一軍区に所属している」と明らかにした。
警察は兵士の写真を公開し、逮捕につながる情報に3000万イエメン・リアル(約180万円)の報奨金をかけた。
イエメン内戦は世界最悪の人道危機に発展。この10年で15~16万人が死亡、1000~2000万人が飢餓に直面している。
サヌアを含む同国の大部分を支配するフーシ派は2014年、政府を亡命に追い込み、サウジ連合軍との全面戦争を開始した。
その後、UAE(アラブ首長国連邦)の支援を受ける反体制派が南部アデンの大部分を掌握。この地域を巡る紛争はここ数年落ち着いている。
サウジ連合軍とフーシ派の停戦は紆余曲折の末、現在もほぼ維持されている。現地メディアによると、少なくとも1人のフーシ派幹部が8日の銃撃事件に言及、2人を殺害した兵士を称賛したという。