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シリア・ダマスカスの空港に砲弾が着弾=国営メディア

今回の出来事はただの事故や流れ弾、あるいは戦闘の余波ではなく、意図的な攻撃またはテロ行為である可能性を排除できない、
2025年1月7日/シリア、首都ダマスカスの国際空港、カタール航空の旅客機(AP通信)

シリア・ダマスカス近郊にある空港付近に出所不明の砲弾が着弾した。国営シリア・アラブ通信(SANA)が9日に報じた。砲弾が落ちたのは、かつての軍事拠点であるメゼ空軍基地周辺である。

SANAは同日ダマスカス周辺で「大きな爆発音が聞こえた」と伝えている。またSANAは治安筋の話しを引用し、「当局が捜査している」と報じたが、砲弾の出所や飛来元は現時点で明らかになっていない。

メゼ空軍基地はかつてシリア軍の主要拠点のひとつであったが、イスラエル軍による2024年12月の空爆で破壊され、今年民間機用の空港への転用が発表されていた。それだけに、今回の着弾は空港の安全性やダマスカス近辺の治安に対する懸念をあらためて浮き彫りにするものだ。

こうした背景から、今回の出来事はただの事故や流れ弾、あるいは戦闘の余波ではなく、意図的な攻撃またはテロ行為である可能性を排除できない、という見方もある。これにより、基地・空港の管理体制や警戒レベルの見直し、さらに周辺市民や関係施設の安全確保が急務となっている。

一方で、現時点において政府側や当局からの詳細な説明はなく、死傷者の有無や被害状況、公的発表は確認されていない。これにより、国内外のメディアや人道支援組織などからは、透明性ある調査と経過の報告を求める声が上がっている。

このような不透明な事件が相次ぐ中、シリア国内の安全保障情勢は依然として不安定であり、政治的・軍事的緊張が再び高まる恐れがある。特に、メゼ空軍基地が民間空港としての再活用を進める過程で、今回のような事件が起きたことで、今後の運用や再開後の管理体制に対する国際的な注目と懸念が強まりそうだ。

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