◎国際社会は近代史上最悪の人道危機を引き起こしたイエメン内戦を終結させる交渉や協議を進めている。
イエメンの大部分を実行支配するシーア派武装勢力「フーシ」は8日、サウジ当局が同組織の捕虜13人を解放したと発表した。
国際社会は近代史上最悪の人道危機を引き起こしたイエメン内戦を終結させる交渉や協議を進めている。
オマーン政府は同日、イエメンの首都サヌアに代表団を派遣した。
フーシ派の捕虜交換を担当する高官はAP通信の取材に対し、「サウジが解放した捕虜13人が8日にサヌアに到着した」と語った。
それによると、フーシ派もサウジの捕虜を引き換えに解放したという。フーシ派が捕虜を解放した日付は不明である。
この捕虜交換は国連が先月仲介した取引の一部である。双方は捕虜約900人の解放を望んでいる。
この取引は今月中に履行される予定だ。
フーシ派はイランの支援を受け、2014年にイエメン政府への攻撃を開始。サウジは翌年、イエメン政府を助けるためにフーシ派への空爆作戦を開始した。
この戦争による死者は少なくとも16万人と推定され、数百万人の子供を含む1000万~2000万人が飢餓に直面している。
一方、オマーン政府の代表団は昨年10月に失効した停戦協定を復活させる取り組みとして、フーシ派関係者と会談するためにサヌアに降り立った。
フーシ派の交渉責任者はAPの取材に対し、「協議はゼロから進められることになる」と語った。
オマーンは長年にわたり、フーシ派とサウジの交渉を仲介してきた。フーシ派は国連が仲介した停戦協定を一方的に破棄したが、この数カ月、大きな戦闘は報告されていない。
オマーンの首都マスカットで過去に行われた交渉では、停戦後の全面的な戦闘を防ぎ、内戦終結に向けた道筋を示すことに焦点が当てられていた。
交渉はサウジとイランが7年ぶりに国交を回復することで合意した後、勢いを増しているようにみえる。
中国が仲介した先月のサウジ・イラン合意はイエメン内戦終結に向けた希望を呼び起こした。