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サウジのスタートアップ企業タマラ、24億ドルの融資確保

タマラはサウジに拠点を置くフィンテック系スタートアップ企業であり、中東・北アフリカ(MENA)地域を中心に「今買って、後で支払う」という決済サービスを展開している。
サウジアラビアの国旗(Getty Images)

サウジアラビアのスタートアップ企業タマラ(Tamara)は15日、ゴールドマン・サックス、シティ、アポロ・ファンドなどの出資者から最大24億ドルの融資を受けると発表した。

タマラは声明で、「シャリア(イスラム法)に準拠したこの融資パッケージは既存の5億ドルの融資枠を借り換え、増額するものである」と述べた。

この融資枠は14億ドルで、追加の承認が得られ次第、3年間で10億ドルの追加融資が利用可能となる。

タマラは「この融資は弊社の能力を高め、プラットフォームの顧客数を現在の2000万人を大きく上回る規模に拡大させる」と述べた。

タマラはサウジに拠点を置くフィンテック系スタートアップ企業であり、中東・北アフリカ(MENA)地域を中心に「今買って、後で支払う」という決済サービスを展開している。2020年に設立され、急成長を遂げた企業の一つとして注目を集めている。

創業者はサハリ(Abdulmajeed Alsukhan)氏で、同社は設立から間もなく、サウジアラビア中央銀行(SAMA)から正式にライセンスを取得し、同国で合法的にBNPLサービスを提供できる企業となった。

タマラのサービスはオンラインおよび実店舗での買い物において、顧客が即時に商品を購入し、代金を数回に分けて無利子で支払えるという仕組みを提供している。支払いの選択肢には30日後に一括で支払う方法、または3回から4回の分割払いがある。

同社は地域の若年層やクレジットカードを持たない層にとって、手軽でアクセスしやすい支払い手段を提供することを目的としており、イスラム金融の原則にも配慮したサービス設計を行っている。これにより、宗教的・文化的背景に敏感な市場でも受け入れられやすくなっている。

タマラは設立以来、複数回にわたる資金調達に成功しており、2023年にはシリーズCラウンドで4億ドル以上の資金を調達し、評価額は10億ドルを超えた。これにより、タマラはサウジアラビア初のユニコーン企業の一つとしても知られるようになった。

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