イエメン正規軍、分離主義勢力から南部の要衝ムカッラを奪還
ムカッラは石油資源が豊富なハドラマウト州の州都であり、STCが昨年末に掌握した戦略的要地だ。
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イエメン南部をめぐる紛争で、サウジアラビアの支援を受けるイエメン政府は1月3日、分離独立を目指す南部暫定評議会(STC)から南部の要衝ムカッラ(Mukalla)を奪還したと発表した。
ムカッラは石油資源が豊富なハドラマウト州の州都であり、STCが昨年末に掌握した戦略的要地だ。政府側はこの奪還で支配権を回復、国家の統一維持に向けた重要な一歩と位置付けている。
ムカッラの奪還は国連の承認を受けるイエメン正規軍と、アラブ首長国連邦(UAE)の支援を受けるSTCとの間で対立が激化していることを示している。STCは昨年末、ハドラマウト州を含む南部地域を制圧し、独立に向けた動きを強めていた。STCは今後2年以内に独立の是非を問う住民投票を実施する方針を表明しており、内戦は分離主義勢力と中央政府、北部を支配するフーシ派との三つどもえの状態に陥っている。
政府発表によると、STCはムカッラや同州の主要施設から撤退し、政府軍が行政機関や空港などを確保したという。一部報道では戦闘は限定的で、STCがプレゼンスを縮小する形で支配権を手放したとの見方も出ているが、現地からの独立した確認は難しい状況だ。ムカッラ奪還後も、道路封鎖や局地的な衝突が続いていると伝えられ、情勢は依然として不安定である。
この動きは、長年協力してきたサウジとUAEという湾岸の主要同盟国の関係にも影を落としている。両国はこれまで、フーシ派を北部から排除するために連合を形成しイエメン内戦に介入してきたが、南部におけるSTC支援をめぐって意見が対立している。サウジは国家統一の維持を重視する一方、UAEは南部勢力への影響力を強めており、これが両国の亀裂を深めてきた。最近ではサウジ連合軍からのUAE部隊撤退が進められ、同盟関係は大きな転換点を迎えている。
STC側はサウジ主導の軍事行動を非難し、民間人やインフラへの攻撃だとして国際的な支援と介入を求めている。また、アデンの空港では政府側とSTC側による飛行制限を巡る対立が続いている。これにより人道支援や物資輸送にも影響が出ているという。
イエメン情勢は10年以上にわたる内戦と人道危機の中で複雑化。今回のムカッラ奪還は局地的な勝利であるものの、根本的な和平への道筋は見えないままだ。国際社会は衝突の拡大を懸念し、対立する勢力間の対話と包括的な政治解決を求めている。
