◎女性がSNSで違法な活動を行ったという理由で長期刑を宣告されるのは今月2件目。
AP通信によると、サウジアラビアの裁判所はソーシャルメディアを使用し国に損害を与えたとされる女性に禁固45年を言い渡したという。
女性がSNSで違法な活動を行ったという理由で長期刑を宣告されるのは今月2件目。
この女性がSNSでどのような活動を行っていたかは明らかにされていない。AP通信によると、首都リアドの裁判所は訴状の中で違法なSNS活動と言及しているが、詳細は不明。
イギリスの大学に留学していた女性も今月、SNSで違法な活動を行ったとして禁固34年を言い渡されている。この判決は欧米で大きく取り上げられたが、サウジ当局は詳細を明らかにしていない。この女性は王国に批判的なツイッター活動家をフォローし、そのツイートをリツイートしただけで逮捕されたとみられる。
禁固34年の判決は今月初め、45年も初め頃に言い渡されたようだ。
AP通信によると、この2つの事件は首都リヤドにある国家安全保障に関する事件を取り扱う裁判所で審理されたという。禁固34年を言い渡された女性は控訴している。
判決文によると、被告は社会の結束を乱し、社会構造を不安定にした罪で起訴されたという。裁判官は被告がSNSで公序良俗に反したと指摘している。
禁固45年を言い渡された女性がSNSに何を投稿したかは分かっていない。AP通信によると、この女性は昨年7月4日に拘束された。
ワシントンD.C.に拠点を置く非営利団体フリーダム・イニシアティブは31日、とんでもなく長い実刑判決を糾弾した。
同団体は声明の中で、「サルマン(Crown Prince Mohammed bin Salman)皇太子が国際社会で正当な扱いを受けつつある今、こうした異常な判決を容認することは到底できない」と非難している。
超保守的なイスラム国家は女性の運転を認めたにもかかわらず、SNSを徹底的に監視し、王国に批判的なコメントを投稿した女性を厳しく取り締まっているようだ。厳格なイスラム法はリツイートも認めない。
バイデン(Joe Biden)米大統領は先月、世界最大の油問屋であるサウジを訪問し、サルマン皇太子と拳を突き合わせ、人権問題で対立した。
バイデン氏は就任時、サウジの反対派ジャーナリスト、カショギ(Jamal Khashoggi)氏が2018年に暗殺された事件を念頭に、「サウジを孤立させる」と誓った。