◎保守的なサウジアラビアは同性愛に死刑を科すなど、厳格なイスラム法を採用している。
サウジアラビアの国営テレビは14日、当局が同性愛を助長するとして、虹色のおもちゃや子供服を押収した報じた。
国営アルイフバリヤ(Al-Ekhbariya)によると、商業省の当局者は首都リヤドの小売店などでLGBTの象徴である虹色を採用したおもちゃ、りぼん、スカート、帽子、筆箱などを押収したという。
当局者のひとりはアルイフバリヤの取材に対し、「これらの商品はイスラム教の信仰と公序良俗に反している」と述べた。「これらは同性愛を助長しています...」
商務省は15日、「逸脱(同性愛)を呼びかける、常識に反するシンボルやサインを含む商品を押収している」とツイートした。
また同省は、「それらを販売している店舗は法的処罰を受ける」と警告した。
保守的なサウジアラビアは同性愛に死刑を科すなど、厳格なイスラム法を採用している。なお、性的指向やトランスジェンダーを取り締まる法律はないが、同性愛を含む夫婦以外の性交渉は厳しく禁じられている。
同国のイスラム法の解釈によると、同意の上での同性の性行為も死刑または鞭打ちの刑に処される。
また男性が女性のように振る舞うことや女性の服を着ることも違法であり、女性が男性のように振る舞うことも当然認められない。
さらに、公序良俗、宗教的価値、公衆道徳、プライバシーを侵害するオンライン活動を行うことも違法である。
昨年末には隣国カタール政府が、「イスラム教の価値観に反するスローガンが書かれている」という理由で虹色のおもちゃなどを押収している。
サウジ当局は4月、ディズニーの映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」の上映を見送ると発表した。当局は映画内に同性愛者が登場すると指摘している。
AFP通信は15日、サウジ当局者のコメントを引用し、同性のキスシーンで話題を集めている映画「バズ・ライトイヤー」の上映も禁止が決まったと報じている。
サウジ当局はこの映画に関するコメントをまだ発表していないが、AFPによると、同国の映画館はこの映画を一切宣伝していないという。
UAE(アラブ首長国連邦)は今週、メディアコンテンツ基準に違反しているとして、バズ・ライトイヤーを上映しないと発表した。