◎サウジアラビアは世界で最も厳しい死刑制度を採用しており、殺人以外の罪で死刑に処されることも珍しくない。
サウジアラビアの国営通信社SPAは12日、複数の凶悪犯罪で有罪判決を受けたテロリストを含む81人が死刑に処されたと報じた。
SPAによると、刑はこの24時間で執行され、イエメン人7人とシリア人1人を含む81人が「外国のテロ組織への忠誠」や「逸脱した信念」などの罪で死刑に処されたという。
81人の一部はアルカイダ、イスラム国(ISIS)関連組織、イエメンのシーア派反政府武装勢力フーシに所属していたと伝えられている。
権利団体などによると、今回の一斉死刑は2021年の年間死刑執行者数69人を上回り、一斉死刑の記録を更新したという。ただし、死刑には公開と非公開があると伝えられており、正確な死刑執行者数を知るすべはない。
SPAは内務省の声明を引用し、「今回死刑に処された個人は無実の男性、女性、子供の殺害を含む様々な犯罪で有罪判決を受けた」と報じた。「これらの個人が犯した犯罪には、ISIS、アルカイダ、フーシといった外国のテロ組織への忠誠を誓うことも含まれています...」
SPAによると、テロ組織の活動に参加するために渡航した者も死刑に処されたという。
またSPAは内務省の報告書を引用し、「サウジアラビアは全世界の安定を脅かすテロリズムと過激派イデオロギーに対して、厳格で揺るぎない姿勢を取り続ける」と報じた。
ロイター通信によると、81人の中には治安当局者の暗殺を試みたり、警察署や個人を狙った罪などで有罪を言い渡された37人のサウジアラビア人も含まれていたという。
サウジアラビア政府は2016年1月に野党シーア派の著名な指導者を含む47人を死刑に処した。
2019年にはテロ関連の容疑で37人のサウジアラビア人の首をはねた。
人権団体と西側諸国は2018年にサウジのジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏が領事館内で殺害されて以来、サウジ政府の人権記録を注視している。
サウジアラビアは世界で最も厳しい死刑制度を採用しており、殺人以外の罪で死刑に処されることも珍しくない。
<死刑が適用される犯罪(抜粋)>
▽殺人
▽麻薬の密売
▽同性愛
▽不倫
▽婚前性交渉
▽強姦(相手がイスラム教徒なければ減刑)
▽飲酒
▽売春
▽国王に対する冒涜
▽イスラム教に対する冒涜
政治や宗教の表現に関する制限的な法律や、未成年に対する死刑執行は強い批判にさらされている。
サウジアラビア王朝は人権侵害を否定し、自国の法律に基づいて国家の安全を守っていると主張している。
SPAによると、サウジの憲法は被告人の権利を完全に保障しているとのこと。