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サウジアラビアとロシア、ビザ免除協定に調印

この協定では両国の旅券所持者(外交用、公用、通常のいずれもを含む)が対象となり、観光、ビジネス、親族や友人訪問を目的とした渡航であれば、1年あたり最大で連続あるいは累積で90日間、ビザなしで滞在できるようになる。
ロシアのプーチン大統領(左)とサウジアラビアのサルマン皇太子(Getty Images)

サウジアラビアとロシアが1日、観光・ビジネス目的における相互のビザ免除(ビザなし渡航)協定に署名した。

これは両国間で交わされた正式な政府間合意であり、署名は首都リヤドで開催されたビジネスフォーラムの場で行われた。

サウジ側からは外相、ロシア側からは副首相がそれぞれ出席、協定に署名した。

この協定では両国の旅券所持者(外交用、公用、通常のいずれもを含む)が対象となり、観光、ビジネス、親族や友人訪問を目的とした渡航であれば、1年あたり最大で連続あるいは累積で90日間、ビザなしで滞在できるようになる。

ただし、労働、留学、滞在目的、あるいは巡礼(ハッジ)などの場合はビザが必要であると明記されている。

公式声明によると、この協定は両国の人的交流を促進し、観光、文化、経済関係の強化を目指すものだ。特にサウジ側にとって、通常旅券を持つロシア人に対するビザ免除は初のケースであり、歴史的な一歩とされている。

また、観光業や投資、ビジネス交流を加速させる狙いもあるとみられ、両国間の往来のハードルが大きく下がる。

署名後、ロシアの副首相は「必要な法的手続き(外交文書の交換)が完了すれば、来年初めにはビザなし渡航が実施可能になるだろう」と述べた。

両国は航空路線の拡充にも取り組み、便数を増やすことで、移動の利便性向上を図る意向も示している。

この合意は両国の外交および経済関係の深化を象徴するものでもある。特にサウジにとっては、旅券所持者を含む全面的なビザ免除は初であり、これはサウジがロシアとの関係構築を重視し、旅行・観光・経済面で協力を拡大しようとする姿勢の表れとみられている。

一方で、今回のビザ免除が適用されるのはあくまで観光、ビジネス、訪問目的に限られており、就労や学業、長期滞在、巡礼などの目的には通常通りビザが必要であることから、制度の範囲と限界も示されている。

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