▽イスラエルは3月2日にガザ国境を封鎖。それ以来、物資の搬入は完全に滞っている。
とルビオ米国務長官(AP通信).jpg)
ルビオ(Maro Rubio)米国務長官は15日、イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相と電話会談を行い、「パレスチナ・ガザ地区の人道状況が悪化していることを懸念していると伝えた」と明らかにした。
ルビオ氏は訪問先のトルコ・アンタルヤで記者団に対し、「米国はガザの人々が置かれている状況を理解している」と語った。
またルビオ氏はイスラム組織ハマスがその責任を負っているという姿勢を繰り返した。「トランプ(Donald Trump)大統領はハマスの排除が和平に欠かせないと考える一方、ガザの人道状況を心配しています...」
イスラエルは3月2日にガザ国境を封鎖。それ以来、物資の搬入は完全に滞っている。
この結果、地区内のパン屋は全て閉鎖。負傷者の治療に必要な医薬品の大半が枯渇する事態となっている。国連は未曽有の大飢饉が迫っているとして、イスラエルに封鎖を解除するよう呼びかけてきた。
ネタニヤフ政権はハマスが人質を全員解放するまで国境封鎖を続けると主張している。
中東歴訪中のトランプ氏は前日、ガザ紛争をできるだけ早く終結させるために努力していると述べた。
ネタニヤフ政権は先週の閣議でガザ地区での軍事作戦を拡大する計画を承認。計画にはガザの「征服」および住民の強制移住が含まれている。
イスラエルはガザを征服したうえで、領土を保持し、パレスチナ人をガザ南部に強制移住させ、民間警備会社とともに援助物資を配給・管理するとしている。
ネタニヤフ政権はこの計画に先立ち、数万人の予備兵を招集中だ。ネタニヤフ氏はトランプ氏の中東歴訪が終わり次第、この計画を実行に移すと主張している。
トランプ氏は今週、「5月末までにはガザでの物資配給を開始できる」という見方を示した。
ルビオ氏は記者会見でこの計画に触れ、「ハマスが援助物資を盗むことなく、人々が援助を手に入れることができる体制を構築できる」と述べる一方、「米国は代替案にも前向きである」と強調した。
国連はこの計画を拒否し、今すぐ国境封鎖を解除するよう呼びかけている。