ロケット攻撃でイラク北部のガス田が停止、停電発生
攻撃は貯蔵タンクを直撃し、火災が発生。これによりガス田の操業は直ちに停止され、地域の電力供給に深刻な影響が生じた。
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イラク北部のガス田に何者かがロケット・ドローン攻撃を仕掛け、火災が発生した。現地メディアが27日に報じた。
それによると、攻撃は貯蔵タンクを直撃し、火災が発生。これによりガス田の操業は直ちに停止され、地域の電力供給に深刻な影響が生じた。
このガス田は北イラクのクルド地域における主要な天然ガス供給源であり、周辺の火力発電所へガスを供給、電力を生成していた。
運営会社は声明で、攻撃後直ちに「生産停止と状況評価」を開始した発表した。
攻撃は26日の午後11時30分ごろに行われたとされ、貯蔵タンクの爆発と大規模な火災が起きたが、死傷者は出なかったとのこと。
この停止は電力供給に深刻な打撃を与えた。電力当局によると、この攻撃による発電量の低下は約3000メガワットに上り、地域の電力の約80%が供給不能になったとのこと。
発電が停止したため、都市や住宅、医療施設などにまで停電が広がり、復旧は当面困難との見通しが示されている。
今回の攻撃は、近年この地域で繰り返されてきたガス田・油田に対する一連の攻撃の中でも、特に重大なものとみなされている。過去にも同ガス田は標的とされ、操業停止や電力供給の混乱を引き起こしてきた。
今回の事態を受けて、軍司令部は声明を出し、この攻撃を「国家のエネルギー安全保障および経済安定を狙ったテロ行為」と断定。責任者の特定と厳正処罰を求め、国際社会に対しても協力を呼びかけた。
一方で、これまで攻撃の実行者やグループによる犯行声明はまだ出ておらず、捜査が続けられている。
関係当局と運営企業は被害の全容を調査中で、復旧作業に着手しているが、専門家は施設の修復に数日を要する可能性を指摘している。
この事件はクルド地域の住民にとって生活と産業の両面で大きな打撃となった。
再発防止とインフラ保護の観点から、エネルギー施設の安全確保の重要性が改めて浮き彫りとなっている。
こうした攻撃が、地域の安定や国際的なエネルギー供給にどのような影響をもたらすか、今後の動向に注目が集まる。
