◎5月14日の総選挙で3期目を目指すエルドアン氏は猛烈な勢いで選挙運動を展開しており、多い時は1日に3つ以上のイベントをこなしてきた。
トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領が29日、ストレス性とみられる胃腸炎を克服し、選挙戦に復帰した。
西部の港湾都市イズミルに集まった市民数千人がエルドアン氏の帰還を歓迎し、万雷の拍手で出迎えた。
5月14日の総選挙で3期目を目指すエルドアン氏は猛烈な勢いで選挙運動を展開しており、多い時は1日に3つ以上のイベントをこなしてきた。
しかし、エルドアン氏は今週、3日間に渡って選挙イベントから姿を消し、公務もオンラインで行った。
エルドアン氏は今週放送されたテレビインタビューの中で体調不良を訴え、「この選挙運動中に胃腸炎を発症した」と明らかにしていた。
最新の大統領選世論調査によると、エルドアン氏は野党統一候補のキリクダログル(Kemal Kilicdaroglu、共和人民党)党首に後れを取っている。
エルドアン氏の与党・公正発展党(AKP)もこの20年で最も厳しい選挙戦を強いられているようだ。
イズミルは野党の本拠地のひとつだが、会場には多くの与党支持者が集まった。
エルドアン氏の演説は40分近く続き、野党をあざけり、クルド人武装勢力の恐怖を煽り、「トルコに成長をもたらすことができるのは自分だけだ」と訴えた。
与党支持者はエルドアン氏の元気な姿を見て安心し、野党は分断を煽る演説に怒りを表明した。
ロイター通信の取材に応じた女性は「祖国を愛するが故にエルドアン大統領に投票する」と語った。「彼は私たちを立ち上がらせ、より強くしてくれるでしょう」
最新の世論調査によると、回答者のおよそ7割が20年間政権を担ってきたエルドアン氏の退任を望み、記録的なインフレにウンザリしているという。
トルコの消費者物価指数(CPI)は昨年11月の80%台から50%台まで低下したものの、それでも他国に比べるとはるかに高く、人口の大多数を占める低中所得者層の生活に深刻な影響を与えている。