◎シリア内戦の犠牲者は50万~60万人と推定されている。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
シリアのアサド(Bashar Assad)大統領がロシア・モスクワを訪問し、プーチン(Vladimir Putin)大統領と会談した。ロシア大統領府が25日、明らかにした。
それによると、首脳会談は24日に行われたという。
会談の詳細は明らかにされていないが、ロシアの国営メディアはプーチン氏がアサド氏に対し、中東で緊張が高まっていることに懸念を示し、今後も軍事・安全保障で連携していくことを確認したと伝えている。
ロシアは2015年9月からシリアで軍事作戦を展開。イランと協力してアサド政権を支援し、国土の大部分を支配できるようにした。
ロシアは現在、兵力の大部分をウクライナに集中させているが、シリアの拠点も維持し、同国に部隊を駐留させている。
国営メディアによると、プーチン氏はアサド氏に対し、「中東地域全体の情勢がどのように進展しているか、あなたの意見に非常に興味がある。残念ながら、それは悪化する傾向にあり、これはシリアにも当てはまる」と述べた。
両首脳が最後に会談したのは23年3月。シリア内戦が本格化した記念日をモスクワで祝った。
アサド氏はプーチン氏に対し、「今日、世界全体で起きている全ての出来事を鑑みると、今日の会談は非常に重要であったと言える」と述べた。
会談の詳細は明らかにされていないが、ウクライナ侵攻、ガザ紛争、その他アラブ諸国をめぐる問題について話し合ったものとみられる。
ロシアはアサド政権の支持者の一人だが、トルコとも緊密な関係にあり、両国の国交回復を働きかけている。