SHARE:

米国防総省、イランでの地上作戦準備中、トランプ氏の決断次第


想定されているのは全面的な侵攻ではなく、特殊作戦部隊や通常の歩兵部隊による限定的な地上作戦である。
米バージニア州の国防総省(Getty Images)

国防総省がイランに対する数週間規模の地上作戦を想定した準備を進めていることが明らかになった。ワシントン・ポスト紙が28日に報じたもので、中東情勢のさらなる緊迫化を示す動きと受け止められている。

報道によると、想定されているのは全面的な侵攻ではなく、特殊作戦部隊や通常の歩兵部隊による限定的な地上作戦である。具体的には拠点への急襲や重要施設の制圧といった短期・機動的な任務が中心で、作戦期間は数週間に及ぶ可能性がある。ただし、こうした計画はあくまで選択肢の一つに過ぎず、実行の可否は最終的にトランプ(Donald Trump)大統領の判断に委ねられており、現時点で正式な決定は下されていない。

今回の準備の背景には2月末に始まったイランを巡る戦争の長期化がある。米国はすでに中東地域への軍事展開を強化し、海兵隊の派遣に加え、陸軍第82空挺師団の部隊を含む数千人規模の兵士を追加派遣している。こうした動きは、空爆や海上作戦にとどまらず、地上戦を含む幅広い軍事オプションに備える狙いがあるとみられる。

一方で、地上作戦には大きなリスクが伴う。イランはミサイルや無人機(ドローン)による攻撃能力を保持し、地上部隊が投入された場合、米兵の人的被害が拡大する可能性がある。また、作戦が長期化すれば、地域全体の不安定化や戦線の拡大を招く恐れも指摘されている。

さらに、米国内でも地上部隊投入に対する慎重論は根強い。戦争の長期化や人的損失への懸念から、世論や議会の支持が得られるかは不透明で、政権は難しい判断を迫られている。一方で、戦略的要衝であるホルムズ海峡やエネルギー関連施設の確保を目的とした限定的作戦であれば、一定の軍事的成果を短期間で得られる可能性があるとの見方もある。

現在の戦闘は数週間に及び、米イスラエルによる攻撃に対し、イラン側も反撃を強めている。周辺地域ではミサイル攻撃や無人機攻撃が相次ぎ、紛争は広域化の様相を呈している。こうした中で地上作戦が実施されれば、衝突は新たな段階に入り、被害の拡大は避けられないとみられる。

米政府は外交的解決の可能性にも言及しつつ、軍事的圧力を維持する姿勢を崩していない。地上作戦の実施は戦況の推移やイラン側の対応、さらには国際社会の反応を踏まえて判断される見通しである。今回の報道は紛争がさらに激化する可能性とともに、米国の戦略が重大な転換点に差し掛かっていることを示している。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします