◎エルサレムはイスラエルとパレスチナの和平を阻む最大の障壁である。
南米パラグアイは12日、イスラエルの西エルサレムに大使館を移転し、エルサレムをイスラエルの首都と認めた。
パレスチナ・ガザ地区の紛争で国際的孤立を深めるネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相はこの決定を歓迎し、パラグアイのペニャ(Santiago Peña)大統領を盛大に出迎えた。
パラグアイは2018年、親イスラエルのカルテス(Horacio Cartes)大統領(当時)の下、大使館を西エルサレムに移転したが、数カ月後に誕生した新政権はこの決定を覆した。
カルテス氏の愛弟子であるペニャ氏はエルサレム大使館の運用再開を決定。これにより、パラグアイは昨年10月にガザ紛争が始まって以来、初めて大使館を西エルサレムに正式に移転した国となった。
エルサレムはイスラエルとパレスチナの和平を阻む最大の障壁である。
イスラエルは1967年の第三次中東戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区、ゴラン高原、イスラム教の聖地アルアクサ・モスクを含む「東エルサレム」を占領。2005年にガザ地区から軍とユダヤ人入植者を撤退させた。
イスラエルは東側の旧市街を含むエルサレム全体を首都とみなしているが、国際社会はこれを認めていない。
東エルサレムは1948年の第一次中東戦争後にヨルダンの支配下に移ったものの、1968年以降は東西ともイスラエルの実行支配下に置かれている。
西エルサレムに大使館を置く国はパラグアイ、ホンジュラス、グアテマラ、コソボ、パプアニューギニア、そしてイスラエルの最大の同盟国である米国の6カ国となっている。