◎国連の採決では120カ国が賛成票を投じた。45カ国が棄権、米国とイスラエルを含む14カ国が反対した。
イスラエル軍は27日、パレスチナ・ガザ地区に対する空爆を激化させ、イスラム組織ハマスをこの星から消し去ると誓った。
国連総会は同日、イスラエルとハマスに人道的休戦を求める決議案を賛成多数で採択。パレスチナ大使は感情的な演説で空爆をやめるよう訴えたが、イスラエル大使はこれを却下し、「ハマスが消滅するまでやめない、休まない」と宣言した。
イスラエル軍は26~27日にかけて行った猛爆でハマスの拠点や地下トンネルの一部を破壊したと報告。ガザの保健当局は多数の死傷者が出たとしている。
国連の採決では120カ国が賛成票を投じた。45カ国が棄権、米国とイスラエルを含む14カ国が反対した。
イスラエルのSNSユーザーは強制力のない国連決議を「時間の無駄」と嘲笑し、ガザ空爆を祝った。
あるユーザーは「ガザの地下に潜伏する浅黒い肌のアラブ系ゴキブリを1匹残らず駆除せよ」と投稿。これにアラブ系ユーザーが激怒し、罵り合いに発展した。
X(旧ツイッター)にはユダヤ人とアラブ人の分断を煽るコメントが数えきれないほど投稿されている。
イスラエルのエルダン(Gilad Erdan)国連大使は総会でこう演説した。「この決議案は何ですか?これはイスラエルの手を縛り、市民を虐殺する巨大な脅威を排除しようとする我々の自衛権を妨害するものだ...」
決議案に賛成票を投じた国々は▽パレスチナ市民を保護して▽お願いだから人道支援を許可して▽食料、水、医薬品、燃料をガザに届けてと情熱的に訴えた。
ガザの保健当局によると、この3週間の空爆・戦闘によるパレスチナ側の死者は7000人を超えた。イスラエルでは少なくとも1400人が死亡している。
一方、イランのアブドラヒアン(Hossein Amir-Abdollahian)外相は総会演説でハマスが拘束したイスラエルの捕虜について、「ハマスは解放する用意がある」と表明。「国際社会はイスラエルで拘束下にあるパレスチナ人6000人を解放するよう要求しなければならない」と主張した。
またアブドラヒアン氏は「イラン政府はカタールやトルコとともに、この人道的努力の一翼を担う用意がある」と述べた。
イランはハマスの同盟国であり、シリアのアサド政権、レバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ派などと対イスラエル戦線を構築している。
イスラエルのエルダン氏は決議案を非難し、「賛成票を投じた国はイスラエルではなくナチスのテロリストを防衛することを支持した」と断じた。「これはとんでもないことです」