◎イスラエルの占領下に置かれている東エルサレムの聖地では今月、パレスチナの礼拝者がイスラエル警察と連日衝突し、緊張が高まっている。
イスラエル軍は29日、ヨルダン川西岸地区でパレスチナ人がイスラエルの警備員を射殺し逃走したと明らかにした。
軍によると、容疑者は地区の入り口付近で警備員を撃ったという。
一方、パレスチナ保健省は同日、イスラエル軍が西岸地区のカルキリヤに近い村で27歳のパレスチナ人男性を射殺したと報告した。
イスラエルとヨルダン川西岸では暴力事件が続いており、この2カ月でイスラエル人少なくとも14人が死亡している。
ガザ地区を実行支配するイスラム過激派組織ハマスはイスラエルの警備員に対する攻撃を称賛したが、犯行に関与したとは明言しなかった。
ハマスの報道官はSNSに、「攻撃はヨルダン川西岸一帯で革命が起きていることを証明している」と投稿している。
イスラエルの占領下に置かれている東エルサレムの聖地では今月、パレスチナの礼拝者がイスラエル警察と連日衝突し、緊張が高まっている。
イスラム教の聖地のひとつであるアルアクサ・モスクには、多くのパレスチナ人がラマダンに合わせて礼拝に訪れている。
地元メディアによると、29日早朝にモスクに入ったパレスチナ人グループがイスラエル警察に石を投げつけ、乱闘に発展した。
イスラエル警察は声明で、アルアクサ・モスクに入ったパレスチナ人が、西壁に通じる門に向かって石を投げ、花火を撃ち込んだと報告している。警察はゴム弾と催涙ガス弾でこれに応戦した。
敷地内にいた他のパレスチナ人が投石グループを抑えることに成功したため、乱闘は1時間ほどで収まったと伝えられている。
パレスチナ赤新月社によると、乱闘で40人以上が負傷し、22人が医療機関に搬送されたという。イスラエル警察は、パレスチナ人が救急隊の立ち入りを妨害し、隊員1人が殴られたと報告した。
またイスラエル警察は、乱闘に関与したとされる3人を逮捕したと明らかにした。
イスラエルは1967年の第三次中東戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区、ゴラン高原、そしてアルアクサ・モスクを含む東エルサレムを占領した。それ以来、ガザ地区とヨルダン川西岸地区に追いやられた数百万人のパレスチナ人はみじめな生活を送っている。
アルアクサ・モスクの管理者であるヨルダン政府は、ここ数週間イスラエル警察とパレスチナ人の衝突が続いていることに懸念を表明している。
イスラエル政府はハマスが暴力を扇動していると非難し、警察は投石を止めるために介入せざるを得なかったと主張している。
パレスチナ側は、イスラエル警察のアルアクサ・モスク駐留や、ユダヤ人の超国家主義者が数十年来の非公式の取り決めに違反して同モスクを訪問し続けていることに不満を表明している。
アルアクサ・モスクは1967年の占領後、ユダヤ人の礼拝を禁じたが、禁止措置は次第に薄れ、今では毎年数万人が礼拝に訪れている。パレスチナ人はイスラエル政府が同モスクを併合または買収するのではないかと懸念している。