◎パレスチナの人権団体はイスラエル軍(警察含む)が過剰な力を行使していると何度も非難している。
2022年11月2日/ヨルダン川西岸地区の検問所、周囲を警戒するイスラエル兵(Mahmoud Illean/AP通信)

イスラエル軍は2日、ヨルダン川西岸地区の検問所付近でイスラエルの警察官を車でひいたパレスチナ人男性が射殺されたと明らかにした。

軍の報道官によると、ひかれた警察官は重傷。男はその場で射殺された。当局は誰が容疑者を撃ったかは明らかしていない。

地元メディアは警察筋の話を引用し、「男は明確な殺意を持って警察官をはねた」と報じている。

軍は声明で、「容疑者は警察官をはねたあと、車を降り、斧を振り回した」と説明している。

警察官はエルサレムの病院に搬送されたと伝えられている。報道によると、この影響で首都テルアビブとエルサレムを結ぶ道路では大渋滞が発生したという。

パレスチナの人権団体はイスラエル軍(警察含む)が過剰な力を行使していると何度も非難している。

しかし、軍は生命を脅かすシナリオに対処しているとこれに反論し、パレスチナ人が関与した事件の詳細を公にしていない。

事件はイスラエル議会選の集計が行われている最中に発生した。

選挙管理委員会によると、結果はまだ確定していない。投票率はここ数十年で最も高いと報じられている。

有権者はパレスチナ人に厳しい右派のネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)元首相を選んだようだ。イスラエル公共放送協会Kanによると、ネタニヤフ氏の政党「リクード」率いる右派連合が過半数を獲得する見通し。

今年、ヨルダン川西岸と東エルサレムで殺害されたパレスチナ人は130人近くに達した。イスラエル軍はパレスチナの過激派が今年春にイスラエル人19人を殺害したことを受け、西岸地区の取り締まりを強化している。

軍によると、殺害されたパレスチナ人のほとんどが武装勢力だという。しかし、イスラエル軍の取り締まりに抗議して石を投げた若者や、戦闘に関与していないジャーナリストも殺されている。

西岸地区では毎晩のように軍の取り締まりが行われ、緊張が高まっている。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争でヨルダン川西岸などを占領し、130以上の入植地を建設した。その多くは集合住宅、ショッピングモール、工業地帯を備えた小さな町のようなものである。

パレスチナ人はヨルダン川西岸をパレスチナ国家の主要部とすることを望んでいる。国際社会はイスラエルの占領を認めていない。

イスラエルのネタニヤフ首相(Getty-Images)
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