◎パレスチナとイスラエルの和平プロセスは10年以上前に破綻している。
イスラエル政府は7日、ガンツ(Benny Gantz)国防相がパレスチナ自治政府のアッバス(Mahmud Abbas)議長とヨルダン川西岸地区で会談したと発表した。
声明によると、両氏はバイデン(Joe Biden)米大統領の中東訪問に先立ち、この地域の安全保障問題などについて協議したという。
パレスチナとイスラエルの和平プロセスは10年以上前に破綻している。両国の政府高官が直接会談するのはまれ。
イスラエル政府は声明の中で、会談を「前向き」と評価した。両氏はこの地域の問題を協議し続けることで一致し、地域の不安定化を避けることで合意した。
またガンツ氏はアッバス氏とパレスチナ国民に対し、今週末から始まるイスラム教で最も重要な祭日「犠牲祭(イード・アル・アドハ)」の幸福を祈った。
パレスチナ政府の報道官は7日、「アッバス氏は合意を尊重し、地域の状況悪化につながる行動を避けることの重要性を強調した」と述べた。
またアッバス氏はバイデン氏の訪問を歓迎したうえで、「訪問前にこの地域を落ち着かせることが重要」とした。
ガンツ氏は昨年、アッバス氏と数回会談し、ヨルダン川西岸地区の経済状況を改善する方策を示した。
パレスチナ自治政府を率いるアッバス氏は、ヨルダン川西岸地区の一部を統治している。
最新の世論調査によると、パレスチナ人のおよそ8割がイスラエル政府と緊密な関係を構築しようとする同氏の辞任を望んでいると回答した。
バイデン氏は来週、イスラエルとパレスチナの両首脳と会談する予定。
イスラエルは1967年の第三次中東戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区、ゴラン高原、イスラム教の聖地アルアクサ・モスクを含む東エルサレムを占領した。それ以来、ガザ地区とヨルダン川西岸地区に追いやられた数百万人のパレスチナ人はみじめな生活を送っている。