◎パキスタンとアフガンの両軍は11日に国境付近で衝突し、検問所を封鎖していた。
2022年12月11日/パキスタン南西部、アフガン国境沿いの町チャマン(Getty Images/AFP通信)

パキスタン当局は12日、アフガン国境の町チャマンにある国境検問所の運用を再開したと発表した。

パキスタンとアフガンの両軍は11日に国境付近で衝突し、検問所を封鎖していた。

チャマンは南西部バルチスタン州の主要都市。アフガンのカンダハル州と国境を接する交易の要衝である。

バルチスタン州当局によると、アフガンのタリバン戦闘員が放った迫撃砲がチャマンのレストランを直撃し、少なくとも7人が死亡、17人が重軽傷を負ったという。

パキスタン政府はタリバンによる市民への砲撃を「虐殺」と非難した。

一方、アフガン外務省の報道官は12日にツイッターを更新し、「この衝突で双方に死傷者が出た」と述べ、「タリバンは紛争を防ぐために努力している」と主張した。

また報道官はパキスタン政府に対し、戦争に発展しかねない挑発的な行動に注意を払うよう呼びかけた。

カンダハル州政府の報道官によると、この衝突でタリバンの戦闘員1人が死亡、民間人3人を含む13人が負傷したという。

パキスタンのシャリフ(Shahbaz Sharif)首相はツイッターに、「タリバン政府に同じような事件を繰り返さないよう強く要請する」と投稿したが、衝突の詳細は明らかにしなかった。

地元メディアによると、どちらが先に攻撃を仕掛けたかは不明。

バルチスタン州ではこの20年、反政府武装組織「バルチ解放軍(BLA)」やイスラム過激派組織「パキスタンのタリバン運動(TTP)」などの武装勢力による政府への攻撃が続いている。

TTPとアフガンのタリバンは異なる組織だが、思想は共有している。

TTPはアフガンの険しい国境地帯に拠点を置き、パキスタンへの越境攻撃を繰り返している。

2022年12月11日/パキスタン南西部、アフガン国境沿いの町チャマンの民家(AP通信)
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