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米イラン緊張緩和で原油価格3%下落、警戒感後退

今回の価格下落について、アナリストの間では地政学的リスクプレミアムの剥落が大きな要因との見方が強い。
イランの油田(Getty Images)

2月2日、国際原油価格が主要指標で約3%下落した。これは米国とイランが緊張緩和に向けた協議を進めているとの見方が広がり、地政学的リスクに対する警戒感が後退したことが主因とみられる。

ロンドン市場の北海ブレント先物価格は前日比約2.9%安の1バレル67ドル台に、米WTIも3.1%安の63ドル台となった。いずれも前週末に比べて大幅下落となったが、これは前週にブレントが6カ月ぶりの高値に達した反動も絡んでいる。

市場の変動に大きく影響したのはトランプ(nald Trump)米大統領の発言だ。トランプ氏は週末、記者団に対し、イランとの協議が進んでいると述べ、潜在的な軍事衝突を回避する方向で交渉が進展している可能性を示唆した。これに先立ち、イラン側の高官も交渉の準備が進んでいるとの見解を表明していた。

今回の価格下落について、アナリストの間では地政学的リスクプレミアムの剥落が大きな要因との見方が強い。米国とイランの関係が悪化した局面では、原油供給の不確実性が価格に上乗せされ、リスクプレミアムが高まる傾向があったが、議論の進展でその一部が後退した形だ。また、直近の需給見通しや投機筋の利益確定売りも重なり、下落が加速したとの指摘もある。

さらに石油輸出国機構(OPEC)とOPEC+は週末に開催した会合で、3月の生産量を据え置く方針を確認した。これは季節的な需要低迷を反映したものであり、増産見送りが原油価格を押し上げていた側面もあったが、市場には既に織り込まれていたとの見方が支配的だ。

今回の下落は短期的な価格調整とみる市場関係者もいるが、供給・需要のファンダメンタルズ(基礎的条件)に大きな変化があるわけではないとの指摘もある。例えば、原油市場では世界的な需給均衡や在庫水準の動向、主要輸入国である中国の購買動向など、幅広い要因が価格形成に影響を与えるとされる。

一方で地政学的リスクは依然として油価の不安要素として残る。中東地域は主要原油輸送ルートであるホルムズ海峡を抱え、政治的緊張が供給不安に直結する可能性があるため、投資家は引き続き関連情勢を注視している。特に米国とイランの協議がどの程度実を結ぶかによっては、価格の反転や再上昇も排除できないとの見方もある。

今回の原油価格の下落は国際金融市場にも波及しており、アジア株式市場では商品相場安を受けて一部株価が下落する動きも見られた。また、為替市場ではリスク選好の高まりを背景に一部通貨が強含むなど、幅広い市場で影響が観測されている。

今後、米国とイランの交渉の進展状況、OPEC+の生産政策、世界経済の需要動向が原油市場の焦点となる見通しだ。冷静な需給分析と地政学リスクの評価が引き続き重要となる。

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