◎トルコ軍は今週、アサド(Bashar al-Assad)大統領の支援を受けるクルド人武装勢力の拠点を空爆していた。
シリア当局は19日、北部アレッポ県アルバーブの市場にロケット弾が撃ち込まれ、少なくとも15人が死亡、数十人が負傷したと報告した。
アルバーブはトルコ政府の支援を受ける反アサド派の支配下に置かれている。
イギリスに本拠を置くNGO「シリア人権監視団」は19日、アサド政権を非難した。トルコ軍は今週、アサド(Bashar al-Assad)大統領の支援を受けるクルド人武装勢力の拠点を空爆していた。この空爆により、クルド人戦闘員少なくとも11人が死亡したと伝えらえている。
シリアの救助ボランティア団体「ホワイト・ヘルメット(シリア民間防衛隊)」は市場へのロケット攻撃について、これまでに子供3人を含む15人の死亡を確認し、28人が負傷したと報告した。
シリア人権監視団の広報担当は声明の中で、「これは2020年3月の停戦以来、最悪の虐殺だ」と述べている。アサド政権はこの停戦協定で反体制派の支配地域を攻撃しないと約束していた。
米国の支援を受けるクルド人民兵組織「シリア民主軍(SDF)」は19日、「SDFはアルバーブへの攻撃には一切関与していない」と声明を発表した。
現地メディアによると、アサド政権はまだコメントを発表していない。
トルコは2016年以降、シリアに3回侵攻し、北部の一部領土を支配した。
トルコ軍とクルド人の戦闘はここ数年収まっていたが、反政府勢力の最後の主要拠点があるシリア北部では、砲撃や空爆が日常茶飯事である。
2011年3月に勃発したシリア内戦の犠牲者は40万人近くに達し、国土の大部分は廃墟と化し、人口の半数以上が避難民になり、数百万人が近隣諸国に逃亡した。