◎民間人少なくとも3000人が北部の町を離れ、クルド人自治区に避難した。
イラク軍は2日、北部に拠点を置くクルド人分離主義グループの掃討作戦を開始したと発表した。
声明によると、軍は1日深夜、トルコのクルド労働者党(PKK)とつながりを持ち、少数民族のヤジディ教徒で構成される民兵組織YBSの掃討作戦を開始した。
この衝突で民間人少なくとも3000人が北部の町を離れ、クルド人自治区に避難した。
イラク軍とYBSの戦闘は激化し、シンジャル地区を含む他の地域に広がったとされる。
軍によると、この掃討作戦は市民の移動を妨げ、イラク政府を弱体化させようとするYBSの国境検問所を解体するためのものだという。
軍は声明の中で、「兵士は検問所の制圧を試みたが、激しい銃撃を受けた」と報告した。「YBSの狙撃手と地雷原も作戦に影響を与えています...」
シンジャル地区の当局者はAFP通信の取材に対し、「イラク兵1人が死亡し、少なくとも2人が負傷した」と語った。
アルジャジーラは軍高官のコメントを引用し、「YBSのヤジディ教徒12人が死亡した」と報じている。
クルド人自治区ドホーク県の移住・危機対応部門によると、衝突に巻き込まれた市民は自治区内の難民キャンプに避難したという。
自治区の政府は問題に対処する専門委員会を立ち上げている。
2018年のノーベル平和賞受賞者でヤジディ教徒のナディア・ムラド氏は暴力の即時終結を呼びかけた。
国連イラク派遣団も暴力に懸念を表明するツイートを投稿している。
YBSは2014年、PKKの支援を受けてイスラム国(ISIS)をシンジャル地区から追い出した。それ以来、同地区の大部分を管理下に置いている。
1980年代からPKKと戦ってきたトルコ政府はこの地域にPKKが存在し続けることを嫌い、定期的にイラク領土を攻撃している。
イラク政府と自治区政府は2020年10月、シンジャル地区を共同管理する協定に署名したが、この協定はほとんど機能していないとされる。