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ノーベル委員会、イランの人権活動家モハンマディ氏の解放を要求

モハンマディ氏は昨年12月、東部マシュハドの人権弁護士の葬儀に出席した際、治安部隊に拘束された。
イラン、ノーベル平和賞を受賞した人権活動家のナルゲス・モハンマディ氏(中央)(Vahid Salemi/AP通信)

ノルウェーのノーベル委員会は11日、イラン政府に対し、2023年にノーベル平和賞を受賞したモハンマディ(Narges Mohammadi)氏の即時釈放を求める声明を発表した。同委員会はモハンマディ氏の拘束と扱いを「国際人権法に反する残酷で非人道的かつ屈辱的な処遇」と断じ、深刻な懸念を表明した。

モハンマディ氏は昨年12月、東部マシュハドの人権弁護士の葬儀に出席した際、治安部隊に拘束された。目撃者や家族はモハンマディ氏が拘束時に複数の男に囲まれ、木製の棒で打たれ、髪をつかまれて地面に引きずられたほか、移送中も繰り返し暴行を受けたと証言している。これらの行為についてノーベル委員会は「生命を脅かす蛮行」と強く非難した。

モハンマディ氏は女性の権利擁護と死刑廃止を長年にわたり訴えてきた著名な人権活動家で、2012年以降何度も投獄されている。2019年以降の抗議運動を背景に複数回の収監と釈放を繰り返し、服役中の2023年にノーベル平和賞を受賞した。今回の声明でもその活動が「基本的な人権および尊厳の平和的な行使」であると評価されている。

モハンマディ氏は先週、7年半の禁固刑を言い渡された。裁判所は国家安全に対する結集・共謀の罪で6年、さらに政府へのプロパガンダ活動の罪で1年6カ月の禁固刑を適用し、さらに2年間の旅行禁止令も命じたと伝えられている。

モハンマディ氏はこれまでに合計で14年余りの刑期を抱え、健康悪化を理由に一時的に釈放されたこともあるが、再び拘束された後は当局の管理下に置かれている。

ノーベル委員会は声明の中で、モハンマディ氏の状況を「イラン国内における広範な弾圧の象徴」と位置づけ、昨年末から始まった抗議デモの事例の一つと指摘した。また同委員会はモハンマディ氏だけでなく、言論や結社の自由を理由に拘束されているすべての政治犯の釈放と基本的人権の尊重をイラン政府に強く求めた。

ノーベル委員会の呼びかけは国際社会に対しても支援の継続を促す内容となっている。声明では、各国政府や国際人権機関に対し、モハンマディ氏の安全確保と法的権利の保障を追求するよう働きかけることが重要であるとした。

イラン当局はこれまでにモハンマディ氏の拘束について、「秩序を乱す行為」として正当性を主張してきたが、今回の声明に対する公式なコメントは出ていない。モハンマディ氏のケースはイランの人権状況と表現の自由を巡る国際的な議論の中心となっており、各国からの批判とイラン政府の対応が今後も注目される。

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