◎戦時内閣の解散により、今後の停戦交渉はハマス壊滅を望むネタニヤフ氏の与党・リクードや他の右派政党が主導することになる。
イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相が17日、戦争内閣を解散した。
これにより、中道やアラブ系議員がガザ紛争の停戦を含む、ハマスや西側との協議から外れることとなった。
ネタニヤフ氏は最大のライバルであるガンツ(Benny Gantz)前国防相を含む3人の閣僚が戦時内閣から離脱したことを受け、解散を決めたとみられる。
ガンツ氏は穏健派であり、紛争終結後のガザ復興計画を策定するようネタニヤフ氏に求めていた。
戦時内閣の解散により、今後の停戦交渉はハマス壊滅を望むネタニヤフ氏の与党・リクードや他の右派政党が主導することになる。
AP通信は政府高官の話しとして、「ネタニヤフ首相はいくつかの親しい同盟国と今後の方針について話し合う意向を示している」と報じた。
戦時内閣は強硬派の意見をある程度制限し、人道支援を拡充させたり、戦闘の激化を抑える機能を果たしてきた。
しかし、ネタニヤフ氏は米国が提案した3段階の提案にほとんど熱意を示しておらず、ハマス壊滅という目標を堅持している。
政府与党がハマスとの停戦交渉にどの程度力を入れるかは不明であり、場合によって紛争を激化させる恐れもある。
戦争内閣は昨年10月7日のハマスによる先制攻撃後、発足した。主要メンバーはネタニヤフ氏、ガンツ氏、ガラント(Yoav Gallant)国防相である。
ガンツ氏は当時、ネタニヤフ氏に対し、戦時内閣における右派議員の関与を減らしたうえで戦争の舵取りをするよう要求した。
しかし、開戦から9カ月近く経った今も暴力は一向に収まる気配を見せず、ガンツ氏は今月初めに戦時内閣を離れた。
パレスチナ側の死者は3万7500人近くに達し、今も増え続けている。