◎ヨルダン川西岸地区における今年の暴力事件件数は過去10年間で最悪となり、パレスチナ人150人以上がイスラエル軍に殺害された。
イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)元首相は21日、極右政党と連立政権を樹立することで合意したと発表した。
ネタニヤフ氏の政党「リクード」は先月1日の議会選で勝利し、極右の超国家主義政党「宗教シオニズム」や「ユダヤの家」などと連立交渉を行ってきた。
交渉期限は21日の午前0時とされていた。ネタニヤフ氏の報道官によると、20日の真夜中にヘルツォグ(Isaac Herzog)大統領に連立交渉が完了したと報告したという。
新政権がいつ発足するかは明らかになっていない。ネタニヤフ氏はヘルツォグ氏に「できるだけ早く樹立する」と述べたという。
大統領の報道官もツイッターに「何とか政権樹立にこぎつけた」と投稿している。
ネタニヤフ氏は汚職疑惑で公判中だが、「首相にカムバックしたら、パレスチナ人との争いに終止符を打つ」と主張。保守的な有権者から多くの支持を集めた。
ネタニヤフ氏はユダヤの家のベン・グヴィル(Itamar Ben Gvir)党首に安全保障政策を任せる予定だ。
さらに宗教シオニズムのスモトリッチ(Betzalel Smotrich)党首も主要な役割を担うと期待されている。これらの極右政党は反アラブを推進し、パレスチナ人の国外追放やアラブ政党の非合法化を要求している。
また両党首はヨルダン川西岸地区の占領エリアを拡大すべきと提案し、アラブ政党とパレスチナ人武装勢力の怒りを煽った。
地元メディアはベン・グヴィル氏が警察を取りまとめる治安相、スモトリッチ氏は西岸地区の計画を管理する要職に就くと予想している。
地元メディアによると、ベン・グヴィル氏は警察本部長が持つ西岸地区関連の権限を治安相に移す法改正を希望しているようだ。
もう一人の連立パートナーである超正統派政党「シャス」のデリ(Aryeh Deri)党首は詐欺で有罪判決を受けたにもかかわらず、財務相を希望している。
ネタニヤフ氏は1週間以内に新政権を発足させなければならない。
ヨルダン川西岸地区における今年の暴力事件件数は過去10年間で最悪となり、パレスチナ人150人以上がイスラエル軍に殺害された。