イスラエル首相、イラン新最高指導者の殺害示唆、政変には否定的な見解
今回の対立はイスラエルと米国がイランの核開発や弾道ミサイル能力を脅威とみなし、共同で大規模な軍事作戦を展開していることが背景にある。
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イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は12日、イランの新最高指導者モジタバ・ハメネイ(Mojtaba Khamenei)師に対して強い警告を発し、イスラエルと米国によるイランへの攻撃を正当化した。一方で、軍事作戦によってイラン政権が崩壊するかどうかについては「確実ではない」と述べ、情勢の不確実性を認めた。
ネタニヤフ氏は戦争開始後初めてとなる記者会見で、イランの指導部や湾岸地域の親イラン組織に対し、今後も攻撃対象となる可能性があると示唆した。特にモジタバ師やレバノンの親イラン組織ヒズボラの指導者について問われると、「テロ組織の指導者に生命保険を与えるつもりはない」と述べ、暗殺の可能性を否定しなかった。
今回の対立はイスラエルと米国がイランの核開発や弾道ミサイル能力を脅威とみなし、共同で大規模な軍事作戦を展開していることが背景にある。イスラエル政府はこの攻撃によってイランの軍事力や政治体制を弱体化させるとともに、国内で政権に反対する動きが強まることを期待している。
しかしネタニヤフ氏は、外部からの攻撃だけで政権崩壊が実現するとは思っていないとの認識も示した。また、「政権が倒れるかどうかを断言することはできない。政権を倒すのは最終的にはイラン国民自身だ」と述べ、イスラエルは「その条件を整える手助けをしている」と説明した。
今回の戦争は2月末に最高指導者だったハメネイ(Ali Khamenei)師がイスラエルの空爆で殺害されたことを契機に激化した。イランではその後、ハメネイ師の次男であるモジタバ師が新たな最高指導者に就任し、米国やイスラエルに対して徹底抗戦の姿勢を示した。
ネタニヤフ氏はこれまでの攻撃によって革命防衛隊(IRGC)や準軍事組織バシジなどが大きな打撃を受けたと強調した。ただし、戦争開始から約2週間が経過してもイラン国内で大規模な反政府蜂起は確認されておらず、政権は依然として統制力を維持しているとみられる。
記者会見の最中、イランからのミサイル攻撃を警告するサイレンが各地で鳴り響き、双方の衝突が続いている現状を象徴する場面もみられた。
専門家の間では、今回の軍事作戦がイスラム体制の崩壊につながる可能性は低いとの見方も出ている。治安機関による厳しい統制や反体制運動への弾圧により、戦争が続く中でも国内の抗議運動が広がる兆しは限定的だと指摘されている。
イスラエル政府は今後も軍事作戦を継続する方針を示しており、イランとの衝突は長期化する可能性が高い。中東情勢は依然として緊迫した状態が続き、地域全体の安全保障や世界のエネルギー市場への影響も含め、国際社会の懸念が強まっている。
