イラン抗議デモ激化、全国規模のインターネット障害発生
英団体ネットブロックスのデータによると、首都テヘランをはじめ主要都市で複数の通信事業者においてインターネットへの接続が大幅に低下し、「全国的なブラックアウト」が発生しているという。
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イラン国内で抗議活動が続く中、全国規模のインターネット遮断が発生し、市民のネット利用や情報発信が大きく阻害されている。インターネット監視団体が8日、明らかにした。英団体ネットブロックスのデータによると、首都テヘランをはじめ主要都市で複数の通信事業者においてインターネットへの接続が大幅に低下し、「全国的なブラックアウト」が発生しているという。今回の遮断は深刻な経済危機への抗議デモを背景にした政府の情報統制強化の一環とみられている。
この大規模遮断は政府によるデジタル統制の再来と指摘されており、IPv6トラフィックでは約98.5%の減少が見られたとの技術分析も報告されている。これは通常時と比べて極端な遮断を示すもので、各地での抗議者同士の連絡や国外への情報発信が困難になっている可能性が高い。
抗議デモはイスラム共和国成立以来最大規模に達し、テヘランやイスファハンなど複数都市で市民が再び街頭に繰り出し、聖職者支配体制への不満をぶつけている。SNS上には反体制・反指導部スローガンを掲げたデモの様子が投稿されているが、これらの投稿を独立して検証することは困難となっている。
この抗議の発端は昨年12月末、テヘランのグランドバザールでの商人によるデモにあり、通貨リアルの急落や物価高騰、経済的困窮への不満が広がる中で勢いを増している。抗議活動は全国に拡大し、深刻な経済問題と政治的不満が結びついた。治安部隊との衝突では複数の死者や多数の逮捕者が出るなど、混乱は収まる気配を見せていない。
インターネット遮断に対し、専門家はデジタル通信を制限することで抗議活動の組織化や情報共有を阻止しようとする政府の戦術だと分析する。過去にも類似の遮断が行われた例があり、政府は重要な社会的・政治的局面で通信を制限してきた。
一方、イラン当局は公式コメントを発表していないものの、国家の安全保障や秩序維持を理由に情報統制を行っている可能性が指摘されている。政府は抗議活動に対して強硬な姿勢を維持しており、暴力的な衝突を抑えるための措置として通信制限を正当化する可能性がある。
この広範なインターネット遮断は、国民生活やビジネス活動にも深刻な影響を与えている。金融取引や企業活動、国際的な取引の多くがオンラインで行われる現代において、長期化すれば経済混乱をさらに悪化させる要因となり得る。また、国外への情報発信が遮断されることで、抗議の実態が国際社会に十分伝わらない恐れもある。
こうした状況の中、イラン国内の抗議活動と政府の対応は今後も国際的な注目を集める見込みであり、インターネット遮断の継続期間や影響の広がりが焦点となる。
